スバル「インプレッサ/クロストレック」の相違点 兄弟車だが試乗で感じた明らかに異なる個性

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クロストレック
ワインディングロードを走るクロストレック(写真:SUBARU)

もっとも、ひとくちにプラットフォーム(クルマの土台)やフレームといっても、じつは異なる振動吸収特性をもつ複数の金属で構成される。だから応力変化の解析はとてもむずかしい……。

「組み合わせや接合方法を誤ると、計算上のフレーム剛性は高いはずなのに、路面の大きな凹みなどを通過した際にはドスンと大きな衝撃がボディ全体に伝わります」とは開発陣のコメントだ。

SUBARUでは、異なる特性をもつ金属の残留応力を最適化し、金属同士の密着度合いを従来の工法から格段に高めて、それらを克服した。

クロストレックのもうひとつの美点である高められた静粛性能は、天井部分に採用した「高減衰マスチック」の効果だ。高減衰マスチックとは、強い弾性接着剤のことで共振抑制や音圧低減をもたらす。SUBARUでは1台あたりの使用年数増加を鑑み、経年変化に強い(減衰効果の長持ちする)弾性接着剤を用いた。

e-BOXERによる上質な走り

スタイリング
クロストレックのスタイリング(写真:SUBARU)

エンジン/電動モーターの出力はカタログ上、目を見張る値ではない。またハードウェアにしても従来型を踏襲している。だが、実際の動力性能は格段に良くなった。

前述のとおり、発進時は引っかかり感なくスムーズに電動モーターとCVTが連携して駆動力を生み出し、そのまま十分なパワーで中速域まで引っ張り上げる。高回転域でも滑らかなCVT制御によって力強く、なおかつ静粛性が高い。総じて上質な走りになった。

SUBARUの看板ステーションワゴン「レヴォーグ」から搭載がはじまった「電動ブレーキブースター」がクロストレック/インプレッサにも採用された。e-BOXERとは初の組み合わせとなるが、回生ブレーキとの連動もスムーズだった。この電動ブレーキブースターは微細なブレーキタッチにも正確に反応し、気持ちの良い減速度を生み出すだけでなく、瞬時に油圧を高められることから衝突被害軽減ブレーキに代表される緊急時の制動性能向上にも一役買っている。

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