続くインプレッサは、プロトタイプとあって公道ではなくサーキットで試乗を行った。ただし、レーシングスピードで走らせるのではなく、一般道路や山道をイメージした走行シーンでの試乗が設定されていた。
試乗前は「クロストレックの最低地上高を低くした上質なハッチバックモデルかな」とイメージしていたが、実際は歴代インプレッサと同じく身体にぴったりフィットする気持ちの良い走りをみせた。
筆者は以前、2代目インプレッサをベースにしていた「S203」に乗っていたが、新しいインプレッサはパワーこそ半分以下ながら楽しさは同レベル。カーブを2つ、3つクリアしていくうちに当時を思い出したくらい、軽快な走りを堪能した。
乗り心地と安定感の両立
インプレッサは、クロストレックと同じ仕様のe-BOXERモデル(CVTのレシオカバレッジも同じ)のほか、ハイブリッドシステムのない2.0Lモデルも用意する。スペックは154PS/193N・mと若干パワフルでトルクフルだ。トランスミッションはCVTのみで、FFとAWDを用意する。
タイムを競うサーキットの路面はμ(摩擦係数)が高めで、カーブでは一般道路の何倍も車体にストレスがかかるが、ここでもSGP+フルインナーフレーム構造が効果的に働いた。乗り心地が格段に良いのに、カーブでの安定性能がすこぶる高いのだ。
カーブでは速度と曲率に応じて遠心力が強くなるが、インプレッサはカーブに進入した初期の段階から、つっぱり感なくじんわりと車体が傾き始める。ここでのステアリングと車体の一体感は格別だ。
そして、ある一定のところからグッとこらえて、タイヤのトレッド面をきれいに使ってカーブをクリアする。このとき、サスペンションのアームがじんわり動いていることが手に取るようにわかるし、車体も狙ったラインをきれいにトレースし続ける。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら