「ついていきたい」と思われる上司、5つの習慣 「御用聞き」できるリーダーこそ信頼される
必ずポジティブな話から入り、互いの努力を認め合うようにすれば、いきなり暗い雰囲気になるよりも格段に解決の糸口を見つけやすくなるはずです。そのためにも普段から問題点だけではなくて、褒めることのできるネタを探しておくことが大切です。
習慣5 結果だけではなく過程を褒める
リーダーは褒め方も大切です。
私は日産自動車入社3年目の頃、日産サニー大阪に出向し、セールスマンとしてクルマを売っていました。最初はなかなかクルマが売れず本当につらい経験でした。
当初は、手当たり次第一軒一軒飛び込みをしていました。まさに「闇夜に鉄砲」という感じで、お客様に話さえ聞いてもらえない。居留守を使われる。惨めな気持ちになったのは一度や二度ではありません。基本的な研修を数日受けただけで、販売現場に出されたので、毎日が試行錯誤の連続でした。
買ってくれそうなお宅に、割り当てられたチラシをとにかく配る、名刺をできるだけ多く置いてくる。ポストに入れたり、クルマのワイパーに挟んだり。マンション1棟丸ごと一軒一軒飛び込み訪問をかけたりしました。車のトップセールスマンはもちろん、生命保険をはじめさまざまな業界のトップセールスマンの本を20冊以上読破し、何かヒントがないか必死で模索しました。
結果として、私は歴代出向者の売り上げトップ、そして粗利益ではサニー大阪の全セールスマンの2位の成績を収めることができ、日産自動車本社の社長賞と、サニー大阪の社長賞もいただきました。
当時のサニー大阪の社長は、その後日産自動車本社の常務、つまり営業のトップにまで上り詰めた方です。その方が最後の送別会の表彰式で私を褒めてくださったのですが、その褒め方に感動しました。
「岩田は、1年半で名刺を2万枚配った! 他の営業マンの10倍以上だった」
クルマを何台売ったという結果ではなく、努力の過程そのものを褒めてくれました。本当に私はうれしかった。営業所では、当初本社からの出向者への風当たりは決してやさしいものではありませんでした。注文書の書き方などの初歩的なことを聞くと馬鹿にされたりしました。本当に右も左もわからず必死で、最初の3カ月はまったく売れませんでした。
しかし諦めず毎日毎日飛び込み訪問をして、だれよりも多くの名刺を配りました。
社長は、一所懸命もがいたその努力をしっかり見ていてくださったのです。結果ではなく、過程をしっかり見る。それはリーダーの大切な仕事です。
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