「英語と中国語の覇権争い」10年後の勝者はどちら 中国語が「世界共通語」になる日はやってくるか

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上乃:外国語を学び続けるためには、何が必要だと思いますか?

五味:この前、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が行われましたよね。日本代表チームには、アメリカ国籍のラーズ・ヌートバー選手がいました。

あのときにネットで話題になっていたのは、ヌートバー選手の話す英語を理解するのは日本人には難しすぎるということでした。とにかく早口で、くだけた話し言葉なので、日本で英語を勉強しているだけでは、とてもではないけど彼の英語を理解することはできないとのコメントが目立っていました。

でも、語学を勉強する究極の目的の1つは、ヌートバー選手のような人が何を言っているのかを通訳なしで理解したり、チャンスがあれば本人と会話を交わしてみたりするということにあると思うんですよね。いつか実際に現地の球場に足を運び、彼に直接話しかけて会話をしている自分を想像するだけで、楽しいじゃないですか。そうした〝野心〟を持つことが、語学学習を継続するためのコツでしょうね。

英語と中国語、勝つのはどっち?

上乃:では最後に、英語と中国語のうち10年後に勝っているのは、どちらだと思いますか?

五味:私の本の読者も、その設問の答えを期待している人が多かったようです。で、肝心の答えですが、やはり英語です。この答えがひっくり返ることはまずないでしょう。

ただし、中国語の影響力がかなり英語に肉薄してくるのは間違いないと思います。

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10年後には中近東やアフリカ、東南アジア、ヨーロッパの一部では、中国語がかなりメジャーな言葉として存在感を高め、中国語がかなり使われるようになってくるというのが私の予測です。これからも英語が一番で、どこに行っても使われているという状況は変わらない一方で、中国語が使われるエリアは増えていく。そうした構図が繰り広げられると考えられます。

上乃:今後しばらくは、米中の軍事的、経済的な対立がさらに先鋭化してくると考えられます。そうした状況の中で、日本や日本の人たちはどう立ち回ったらいいのでしょうか?

五味:私は、どちらか一方に付くのではなく、両方と仲良くしていくのが日本の生き残り策だと思っています。若い人にとって、どの言葉を学ぶのかの選択は、自分の将来に直接結びついている事柄でもありますよね。だったら、英語と中国語の両方を学べばいい。これら2つの言葉を覚えれば、確実に自分の強みにもなるでしょう。

私は長い間、中国語や韓国語、英語を継続的に学んできました。外国語ができるようになると、確実に世界は広がります。母語以外の言葉を学ぶことには、勝ち負けでは決して語り切れない貴重な価値があるんですよ。それを多くの人に認識してもらいたいですね。

上乃 久子 ニューヨークタイムズ取材記者

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うえの ひさこ / Hisako Ueno

1971年岡山県生まれ。1994年に四国学院大学文学部英文科卒業後、同大学の事務助手として勤務。東京都内のバイリンガル雑誌社、翻訳会社、ロサンゼルスタイムズ東京支局、国際協力機構(JICA)を経て、現在、ニューヨークタイムズ東京支局に取材記者として活躍。サイマル・アカデミー同時通訳科修了。著書に『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』(小学館)。

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