「英語と中国語の覇権争い」10年後の勝者はどちら 中国語が「世界共通語」になる日はやってくるか
アフリカ大陸や中近東で増え続ける親中国家
上乃:アフリカ大陸というと、フランス語を話す人たちが多いという印象がありましたけど、今となってはそうも言い切れないようですね。中国語を学ぶ人が増えたのは、中国による経済協力の影響が明らかに大きくなったためでしょうか。
五味:そうですね。アフリカ各国は今、中国からの有償の経済支援がたくさん入ってきて、インフラを支援したり、道路作ったり、ダムを作ったりしているわけですね。ただし、償還期日が来た時点で借金を返せないと、建設したインフラが中国のものになってしまうという立て付けになっているケースがたくさんあります。
中国による「債務の罠」といって、よくニュースになっていますよね。こうしたスキームによって自国の国外資産を増やしていると。
ただ、アフリカの人たちには中国を選ぶしかなかったという事情もあります。フランスをはじめとした旧宗主国のヨーロッパの国々に頼ろうとしても、何もしてくれないという疎外感を抱えていたんです。これは中近東を見ても同じ。そういう状況を見透かして、中国はどんどん食い込んでいっている。
そうすると、それらの国はどうしても〝親中国〟にならざるを得ない。国連の場では、いかなる国も投票権を持っていますから、親中国の国が増えれば増えるほど、国際社会での中国の発言力は強まるという流れになっていきますね。
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