吉本が「子ども育成」に積極投資する深い意味 各地でお笑いやK-POPダンス教室を実施する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この日の会場内では、多くの親子と芸人たちが、漫才、吉本新喜劇、K-POPといった体験教室のほか、各エリアのさまざまなプログラムを通してふれあい、さらに「オンライン社会科見学」では国境を超えてアジアの国とも時間と場所を共有。子どもたちにとって、楽しみながら新たな体験や学びを得る場になった。

課題もある

昨年10月に大阪で開校し、この5月より東京校と沖縄校をオープン。まだスタートしたばかりの「よしもと放課後クラブ」だが、これから向き合っていく課題もある。

それは、持続可能なビジネスとして継続するために、どう運営していくかということだ。

同校を運営する、よしもとアカデミーの代表取締役社長・上田泰三氏は、「吉本興業のすべてのクリエイティブを子どもの育成に役立てるためにフォーマット化していく」と力を込める。具体的にどう落とし込むかはこれからになるが、その指針を次のように語る。

「サービスを受け取る子どもたちが手に取りやすく、費用もそれほどかからないようにしながら、価値の高い体験ができるようにする。そのために、イベントや映像コンテンツなどこれまでにやってきたものを整理統合して、体系化を進めていかないといけない」(上田氏)

子どもたちにとって、憧れの存在に会うことができて、直接教えを受けることは大きな意味がある。その経験が、プロの道を目指すきっかけになることも多く、知らず知らずのうちに彼らの未来をリードする。そこでエンタメに接した子どもたちの創造性の喚起や育成は、日本のエンターテインメント産業の未来につながる。

エンタメ業界では、吉本興業が積極的にこうした活動を行っているが、これはあらゆる業界における人材育成の根本に当たることだろう。子どもたちがその仕事の第一人者と触れ合うことで感じて考えること、影響を受けることは多くあり、そこから得るものは大きいからだ。

そして、それは今多くの企業が取り組む地球環境保護と同列の社会的責務になるのではないだろうか。子どもたちの未来のためになにができるのか。それぞれの企業や業界が得意分野から手を差し伸べるスタンスが、これからスタンダードになっていくのかもしれない。

武井 保之 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事