腰痛で悩む人が知らない「痛みを防ぐ体の使い方」 柔軟性を高めておきたいのは「腰」ではなかった

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このとき、腰の筋肉を伸ばして緊張をリセットするストレッチが有効なのですが、ここで1つ問題があります。腰の筋肉を伸ばすには背中を丸める必要がありますが、腰痛を持つ人のなかには、このポジションを取ると痛みが増強しやすい人が多いのです。この場合は、背骨を横に曲げることで腰を伸ばす方法がお勧めです。こちらも後ほど紹介します。

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腰痛に限りませんが、体の痛みにはストレスも大きく関係しています。強いストレスを感じる人ほど痛みの感じ方も大きくなる傾向があります。

ストレッチは局所的に筋肉をリラックスさせるだけでなく、ストレスを和らげる働きもありますので、今回紹介するストレッチをできるだけ頻繁に行うようにしましょう。

腰痛予防のストレッチ2種類

今回は股関節の柔軟性を高めるストレッチと、腰の緊張をほぐすストレッチを紹介します。まずは試してみて、腰などの痛みが強まる場合は、このストレッチは行わないでください。

■お尻ともも裏の柔軟性を高めるストレッチ

①安定したイスに浅く座り、一方の足を前に出して足首を曲げ、膝を軽く曲げる。背すじを伸ばして両手を太ももの上に置く
②両手を少しずつ前に移動させながら、背すじを伸ばしたままお尻を突き出すように前傾する。お尻と太もも裏に適度な張りを感じる位置で手を止め、ゆっくりと呼吸をしながら10秒キープする。左右の足を入れ替えて同様に行い、これを左右交互に各3セット行う
※背中が丸まると、お尻と太もも裏が伸びなくなるので注意

■腰の緊張を和らげるストレッチ

①安定したイスに浅く座って足を大きく開き、背すじを伸ばして手を膝側に近い太ももの上において肘を伸ばす
②一方の肘を曲げて太ももに乗せ、もう一方の手を膝を押しながら、脇腹を伸ばすように上体を横に倒す。腰に適度な張りを感じる位置で、ゆっくり呼吸をしながら10秒キープする。元の体勢に戻ってから逆側も同様に行い、これを左右交互に各3セット行う
※上半身を真っすぐに伸ばしたまま横に傾けても腰は伸びないので注意

イラスト:竹口陸郁

坂詰 真二 スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー

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さかづめ しんじ / Shinji Sakazume

フィジカルトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)にてディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスで各種アスリートのコンディショニング指導を担当する。1996年に独立後、パーソナル指導、トレーナーの育成とともに、書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供を行う。8万部超えの「やってはいけない筋トレ」(青春出版社)、22万部超えの「世界一やせるスクワット」(日本文芸社)ほか著書多数。公式youtubeチャンネルはhttps://www.youtube.com/@shin.training-channel

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