旅行業界にも、いよいよコロナ前の日常が戻ってきた。
国連世界観光機関(UNWTO)によれば、2022年の国際観光客数は9億人を超え、2021年比で倍増。新型コロナウイルスが流行する直前に当たる2019年の63%まで回復した。2023年は中国をはじめとするアジアの需要回復が加わり、80~95%の水準に達する可能性があるという。
大幅増収、調整後利益は過去最高
観光客の世界的な増加によって、ホテル企業の業績回復も鮮明だ。
「グランド ハイアット」や「アンダーズ」など、75カ国で1279軒・30万6494室(2023年3月末時点)を展開する世界有数の高級ホテルチェーン、米ハイアット・ホテルズ(H)が、5月4日に1~3月期(第1四半期)決算を発表した。
売上高は前年同期比31%増の16億8000万ドル(約2300億円)、純損益は前年同期の7300万ドルの赤字から5800万ドルの黒字に浮上。調整後EBITDAは過去最高を記録したという。
アジア・太平洋地域を筆頭にレジャー、ビジネスともに需要が増え、客室平均単価も上昇。とくに団体旅行の売上高は69%も増えた。
予約状況は引き続き良好だ。ジョアン・ボッタリーニCFOは決算説明会の場で、「アジア・太平洋地域の回復と団体・ビジネス需要の増加が年後半も業績を牽引するだろう」と述べている。
一見すると順調なハイアットだが、新型コロナ感染拡大の影響で赤字に沈んだ2021年に大きな賭けに出ていた。
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