ハイアットは2021年11月、欧米で高級リゾートホテルを展開する米アップル・レジャー・グループ(ALG)を27億ドルで買収。約100軒・3万3000室以上の客室を一気に獲得した。
「ゾエトリー」「ドリームズ」「シークレッツ」をはじめ、ALGのホテルの特徴は宿泊代金にホテル内の食事やドリンク、アクティビティーなどの料金がほぼすべて含まれる「オールインクルーシブ」。いわば食べ放題・飲み放題・遊び放題の高級版だ。
グランド ハイアットとアンダーズの第1四半期の客室稼働率はそれぞれ67.2%、69.6%だったのに対し、オールインクルーシブタイプのブランドは77.8%と高く、当社の業績回復を支えている。
ホテルだけでなく予約サービス会社も買収
当社が仕掛けたM&Aはこれだけではない。
2023年2月、高級ホテルの「チャットワル」などを手がけるアメリカのドリーム・ホテル・グループを買収し、12軒・1700室以上を追加。この買収により、ハイアットのニューヨーク市の客室数が30%以上増えた。
4月28日には、高級ホテル1500軒以上の予約サービスを提供する英Mr & Mrs Smithの買収を発表した。フィジーやクロアチア、アイスランドといった、現在ハイアットがホテルを展開していない20カ国以上でのポートフォリオ拡充を期待できるという。
ハイアットの株価は2022年末に200日移動平均線(赤)の付近で反発。今年の3月以降は100日(青)や50日(緑)の移動平均線がサポートライン(下値支持線)となっている。
目先は1~3月期の黒字復帰をバネに、3月7日につけた年初来高値の125ドルを超えられるかがポイントになりそうだ。
なお、「会社四季報オンライン」の米国株サービスでは当社の最新の業績・株価をグラフやチャートで確認できる。世界最大手のマリオット・インターナショナル(MAR)をはじめ、ヒルトン・ワールドワイド(HLT)やインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)など、同業他社と比較しながら分析・研究いただきたい。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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