情報を「消費」するだけの人「吸収」までする人の差 情報過多の今こそ「セカンドブレイン」が重要だ
本書の冒頭部分では、多くの人が心の端っこで薄々気づいていたに違いない、とはいえ予想を上回っているであろうとも思われる“事実”が明らかにされている。引用してみよう。
同紙に掲載された別の研究では、わたしたちは毎日、新聞にすると174ページ分もの情報を消費しており、これは1986年の5倍に相当します。
現代人は情報が多すぎることに疲労困憊し、メンタルに負担がかかり、その結果、つねに何かを忘れている気がするのです。(26ページより)
この文章のなかで大きな意味を持つのは、私たちが莫大な情報を“消費”しているという部分ではないだろうか? “吸収”しているのではなくただ消費しているのであれば、それは非常に非生産的だ。
したがって、必要(だと思われる)情報をなんでもかんでも頭に詰め込むことをあきらめ、記憶は機械(インテリジェント・マシン)へと外注すべきだと著者は述べている。
たしかにそのとおりかもしれない。現代では高い認知力が求められるが、私たちの脳そのものは20万年前からほとんど変わっていないのだから。
そして本書においては、そうした状況を改善するための策を取り入れることが勧められている。それは、メモをとることだ。ただし、デジタルツールを活用することによって。
デジタル版「備忘録」
長らく行われてきた「メモをとる」という行為は、当然ながら非常に有効な手段である。ただ、それは手間のかかることでもあり、得意不得意も影響してくる(事実、書くことが不得意な私にとっても、メモをとることはいささか厄介であった)。
だが、これまで手動で行っていた備忘録をデジタル化したとしたらどうだろう? 例えばメモや資料はいったんデジタル化すれば、検索や体系化が可能になる。それどころかすべてのデバイス間で同期でき、クラウドにバックアップを保存することもできる。
紙に走り書きして「あとで探して整理すればいいか」と思ったものの、そのあと、必要な情報をなかなか見つけられらずに苦労するというようなケースは少なくない。しかしデジタル化すれば、「どこを探せばいいか」は明白なものになる。いいかえれば、それは自分専用の“知識の貯蔵庫”として活用できるのだ。
検索可能で、いつでもアクセスでき、簡単にシェアできて、自分が消費するデジタルテキスト内に組み込まれている」と記しています。
このデジタル備忘録こそ「セカンドブレイン」です。勉強用のノート、日記、アイデアを記したスケッチブックを1つにしたものと考えてください。(30ページより)
そんなセカンドブレインは、生涯にわたって学びの助けとなるようデザインされており、そこには導入する前に押さえておきたい「4つのパワー」があるのだそうだ。
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