京都銀行VS英ファンド、終わらない「還元戦争」 シルチェスターが2年連続で特別配当を要求
シルチェスターは資本コストを上回る水準として、かねて10%以上のROEを投資先企業に求めている。京都銀行に対しても、2022年に行った株主提案の中でROEの低さを指摘していた。特別配当の実施は還元強化に加えて、資本の圧縮を促す意図もある。
PBRについては、1倍に引き上げるための計画を求めた。2022年の株主提案ではPBRに関する言及がなかったが、東京証券取引所が上場企業に対してPBRなどの改善策を求めた動きに呼応したものと見られる。今回の株主提案ではPBRの改善を期待してか、昨年にはなかった自社株買いが追加されている。
京都銀行のROEは3%弱、実績PBRも0.4倍台と、シルチェスターが求める水準にはほど遠い。4月中旬にも両社は電話で意見を交わしたが、強硬姿勢を崩さないシルチェスターと、漸進的な改革を模索する京都銀行との溝は埋まるはずもなく、交渉は決裂した。
要求水準まで提案は続く
「通常の場合、弊社は当会社(京都銀行)の更新後の中期経営計画を支持し、取締役会に対する賛成票を投じることでしょう」。26日の公表文の中で、シルチェスターは京都銀行が資本政策の見直しに踏み切ったこと自体は評価している。だが、あくまで同社の要求水準に達していない限り、株主提案を行うというスタンスだ。
関係者によれば、シルチェスターの目的は必ずしも株主提案を可決することだけではないという。「昨年より賛成率が上がれば、経営陣によりプレッシャーがかかる。それだけでも提案を行う意義がある」。両社が「停戦」を迎える兆しは見えない。
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