任天堂創業家VS東洋建設「武力衝突」突入の緊迫感 友好的な協議が一転、激しいパンチの応酬に

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東洋建設のリリース
東洋建設は3月28日、YFOが金融商品取引法などに違反している疑いがあるとして関係当局に調査依頼したことを公表した(記者撮影)

「これからは守りから攻めへ転じる。今まではおとなしいゼネコンだったが、そんなことを言っている場合ではない。もっと攻めの経営姿勢にしていく」

マリコン大手・東洋建設の時田学執行役員は、3月23日に行われた新中期経営計画説明会の席上、そう強調した。

ついに武力衝突に発展した。

任天堂創業家の資産運用会社、ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)が東洋建設に対して行った「友好的」な買収提案を巡り、これまで両者の間で協議を重ねてきた。だが、協議が2022年12月5日に決裂して以降、ネガティブキャンペーンの応酬となっている。

両者ともに徹底抗戦の構え

東洋建設は3月28日、2022年3月から5月に行われたYFOの東洋建設株買い付けについて、金融商品取引法、外国為替及び外国貿易法(外為法)、不正競争防止法などの法令に違反している疑いがあるとして、関係当局に調査依頼をした。

一方、YFOも1月23日に、今年6月に開催予定の東洋建設の株主総会において、武澤恭司社長を含む3人の取締役の再任に反対すること、独自の取締役候補を株主提案することを公表。

さらに、3月3日にはガバナンス上の問題点を解明するために、東洋建設に臨時株主総会の開催を要求。東洋建設側がこの要求を否決したため、13日に大阪地方裁判所に臨時株主総会の招集許可を申し立てた。

現在は両者ともに、徹底抗戦の構えを見せている。「かなり激しい戦いの局面に入りつつある。これまでは一方的に言われてきた(経営姿勢などを批判されてきた)が、今後はこちらも言うべきことは言っていく」と、東洋建設のベテラン社員。

対するYFOの関係者も、「東洋建設の経営は異常だ。企業統治の考えが抜けすぎている。(経営意思決定の)プロセスにおいて、ガバナンスの瑕疵を超えているケースがいくつもあった」と話す。

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