住信SBIネット銀、「1年越し上場」の理想と現実 銀行かテック企業か、市場と会社の見解に「溝」

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住信SBIネット銀行の上場会見で壇上に立つ円山法昭社長
上場を果たした住信SBIネット銀行。円山法昭社長(中央)は株価への不満も口にした(撮影:梅谷秀司)

国内初のネット銀行がついに上場を果たした。

3月29日、住信SBIネット銀行は東証スタンダード市場に上場した。上場時の時価総額は約1800億円と、群馬銀行や広島地盤のひろぎんホールディングスといった上位地銀に肩を並べる水準に躍り出た。

華々しいはずの株式上場。だが同日開いた記者会見で、円山法昭社長は言葉の端々に戸惑いをにじませた。「われわれが求めていた株価ではないが、現在のマーケットではやむを得ない」。同社の評価をめぐって、会社と投資家の間にはすれ違いも見られる。

銀行でありながらも「テック企業」を自負

ネット専業である住信SBIネット銀は、自らを「テック企業」と自負する。銀行でありながら正社員の半数がシステム開発等に従事し、IT技術を駆使した金融サービスを展開してきたためだ。

収益柱は住宅ローンを中心とするデジタルバンク事業だ。審査のほとんどをAIで完結させ、審査や貸し倒れにかかる費用を削減。維持費のかさむ直営の支店も持たず、経費率(粗利益に対する経費の割合)ではメガバンクや地銀の多くが60~70%台で並ぶのに対して、住信SBIネット銀は50%を切っている。

こうしたコスト競争力を生かした低い金利水準を武器に、勢力を拡大してきた。2022年3月期の住宅ローン実行額は1.2兆円と、国内住宅ローン市場の5%を占める。

預貸に加えて、住信SBIネット銀が今後の成長エンジンとして期待するのは、2020年に立ち上げたBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業だ。入出金や決済といった銀行機能を切り出して事業会社に提供するサービスを指す。

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