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2023年2月、アメリカで発表されたジープ「ラングラー ルビコン4xe(フォーバイイー)」のスペシャルモデル「20th アニバーサリーエディション」をドライブするチャンスがあった。
「ルビコン」というラングラーシリーズの中でもオフロード性能を上げたモデルであることに加え、専用の足まわりや内外装を備えたこのアニバーサリーエディションは、悪路を楽しむためのクルマだった。
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ジープがもっとも売れる国はもちろん、アメリカだけれど、日本での人気の高さもなかなかのもの。輸入車の年間売り上げの10位以内には必ず入る。
その理由には、SUV人気を背景にしつつ、モデルバリエーションの豊富さがある。もう1つは、ジープの伝統に忠実といえる「ラングラー」の存在。これが大きい。
1940年代に「MB」という軍用モデルが作られ、それに続いて民生用に変速機のギア比や足回りが変えられた「CJ」が送り出された。本格的に量産体制が敷かれたのは、1945年の「CJ-2A」だ。
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セパレートシャシーに前後とも固定車軸式のサスペンション、ボディの外側に取り付けられたスペアタイヤといった基本的な成り立ちやコンセプトは、今もラングラーに引き継がれている。
“ルビコン・トレイル”の名を持つモデル
ラングラーにファンが多いのは、機能美の極致ともいえるデザインを守り続けているところが大きい(はず)。加えて、V8エンジンへのこだわりや、自分好みの改造を楽しめるパーツが市場で手に入るなど、ユーザーの嗜好性を大事にしてきたマーケティングの貢献度も高い(はず)。
クルマとしてのデキもよい。とりわけ今回のルビコンシリーズ。この名前は、ご存じのかたも多いと思うけれど、アメリカ西部の有名な悪路、“ルビコン・トレイル”からとられたもの。
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岩場で構成された走行困難な道でも走破できてしまう性能を持つというのが、セリングポイントだ。
ラングラーのサブネームとして最初に採用されたのは1980年代だけれど、クロスカントリー型4WDとしてより高性能を追求したモデルとしてルビコンが開発されたのは、2003年のこと。
社内のエンジニアが集まって、手弁当(ジープの総責任者ジム・モリスン氏は「自分のクレジットカードで」と表現)で、理想的な性能をもったモデルとしてルビコンを作り上げたという。
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