ラングラー ルビコンは、悪路で車輪が浮いてしまう状況でも前に進めるよう前後のデフロックを備え、加えて、「ロックトラック・フルタイム4×4」と呼ばれる4WDシステムを搭載。
ロックトラック・フルタイム4×4は、車内の操作で前輪のスタビライザーを切り離せる。一般道では、スタビによる直進安定性の高い走りを発揮し、悪路ではスタビを切り離すことで、長いサスペンションストロークを使っての走破性が実現する。
私がユタ州モアブのキャニオンランズとアーチェス、2つの国立公園とその周辺で乗ったラングラー ルビコン4xe 20th アニバーサリーエディションは、専用のリフトアップキットを組み込んで、さらに走破性を高めたモデルだ。
プラグインハイブリッドの使い方
ラングラー ルビコン4xeは、2リッター4気筒ガソリンエンジンに、プラグインハイブリッドシステムを組み合わせている。4xeは日本でも販売されており、ラングラーのほか、「グランドチェロキー4xe」「レネゲード4xe」もある。
特徴的なのは、ハイブリッドといってもトヨタ「プリウス」のようなシリーズパラレル式ではないので、バッテリーの残量に電動駆動が左右される点だ。
ドライブモードで「エレクトリック」を選べば、バッテリーが満充電なら21マイル(約34キロ)モーターだけで走行でき、「ハイブリッド」モードなら、さらにトルクを上乗せしてくれる。モーターの駆動輪は、レバー式の副変速機のポジションが優先されるので、2輪駆動モードなら後輪のみ、4輪駆動モードなら前後輪を電動で駆動する。
今回キャニオンランズの道なき道を上り下りするにあたって、ジープの担当者は「Eセーブ」モードを勧めてきた。Eセーブはエンジンを使うモードで、バッテリー残量は“いざというとき”のために手つかずでセーブされる。“いざというとき”が、いつかはよくわからないけれど……。
4xeには、実はもう1つモーターが備わる。駆動用モーターが「P2」と呼ばれるのに対して、スタータージェネレーターとして使われる「P1」なる小型モーターだ。
よくあるISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)などと同様、発進時や加速時にトルクを足すことに加え、外気温が摂氏マイナス10度以下でのエンジン始動などでも活躍する。
エンジン走行中は、アクセルペダルを踏んでいなくても、いわゆるクリープ状態を作ってくれるのもP1の働きだ。ゆっくりゆっくり動くので、悪路ではこれが意外に便利である。
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