「カマロ」生産終了を惜しむべきではない理由 歴史が示す「カマロ不屈の精神」は生き続ける
2023年3月22日、デトロイトから寂しい発表があった。それがシボレー「6代目カマロ」の生産終了だ。
ゼネラル・モーターズは、シボレーブランドのスポーツカーである「カマロ」の生産を、2024年モデルで終了すると発表したのだ。
2024年1月にミシガン州にあるランシング・グランドリバー組立工場から製造・出荷されるもので、終わりになる。2024年モデルの詳細な内容は、2023年夏の受注開始前に公開されるという。
ただし、これがすべての終わりではない。シボレーのバイスプレジデントであるスコット・ベル氏からは「今日、すぐに後継車を発表するわけではありませんが、これが『カマロ』の物語の終わりではありませんので、どうぞ安心してください」とのコメントが発表されている。
断絶するのではなく、まだまだ続いていくことを約束してくれているのだ。そこで、これまでのカマロの歴史を振り返り、その現在位置を考察しよう。
1960年代「ポニーカーブーム」に乗って
最初のカマロが誕生したのは、1967年のこと。そのきっかけとなったのは、その少し前となる1964年にデビューしたフォード「マスタング」の大ヒットであった。
(アメリカの基準では)小さくてスタイリッシュな2ドアクーペのルックスを持ち、いくつものエンジンやトランスミッションなどのバリエーションを用意した初代マスタングは、第2次世界大戦後のベビーブーマーを中心とした若い世代に大ウケ。
プリムス「バラクーダ」やポンティアック「ファイアーバード」といった、マスタングを追従するライバルモデルが、数多く生まれた。シボレーのカマロも、そんな1台だ。
これらの小さくてスポーティなクルマたちは、当時「ポニーカー」と呼ばれ、どれも人気となる。もちろん、カマロもヒットした。やや個人的な見解を含めて言えば、マスタングは優等生的なイメージで、カマロはもうちょっと尖ったクルマ。その個性の違いが、それぞれの魅力となっていたのだ。
また、シボレーにはスポーツカーのトップモデルとして「コルベット」が君臨していたが、それに対してカマロは、価格も手頃で身近な存在であったこともヒットの理由であっただろう。
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