日本育ちでも英語を習得、4つの「意外な共通点」 小さな事を積み重ねて日々を英語浸けにしよう
前の項目ですでにご紹介した、単語集を毎日繰り返しチェックしたり、教科書を丸暗記して音読したり、英語で独り言を話す習慣も浸すための一環ですが、その他にも日常生活の中に少しでも英語を組み込む努力をしていたことがうかがえます。
一方、読む習慣については、洋書の多読をやっていた人もいたものの、忙しくてそこまで手が回らなかったという人も少なくありませんでした。むしろほとんどの人は、十分読み応えのあるTOEFLやSAT(アメリカの大学進学のための標準テストで日本の共通テストに相当)の問題文や、教科書や学校で受ける模試の問題など、日々の英語学習で触れる文章をあえて丁寧に復習することで読む力が向上したといいます。
ちなみに第2言語習得の専門家で神戸市外国語大学外国語学部の濱田彰(あきら)准教授は、「多読は読むスピードを向上させる近道だが、テキストをもう一度読み直す『再読』も読むのに苦労した単語や構文が簡単に理解できるようになり、同様の効果がある。その際、あるテキストを10分間で読んだら、同じテキストを次は7分間で読むなど、時間制限を設けて早めていくとよい」としています。
加えて、大学選びや出願に必要な情報は日本語に訳されたものがあったとしても正確さに欠けたり、最新ではなかったりします。そのため、1次情報を得るには自分で調べるしかなく、図らずも多くの人がその作業でも読む力が鍛えられたようです。
第2言語習得の専門家の間では「外国語習得におけるインプットの重要性を否定する研究者はいない」という通り、彼らの「目に入る英語は全部、単語や宿題の文章もなんでも、ひとつひとつを頭で考えるのではなく、体で感じて取り込んでいく」(東京都の公立中から私立高校を経て、アメリカのハミルトンカレッジに進学した船田さん)という日常の過ごし方は、インプットをシャワーのように浴びている状態を自らつくり出しているのです。
③ググる力を身につける
今回の取材で最も世代間のギャップを感じたのがこの〝ググる〞力です。
「Twitter, Instagram, YouTubeなどでググれば全部必要な情報が出てくるのに、それを知らない人が結構多い」という意見が数多く聞かれました。
「ネット上には王道の勉強法や試験の攻略法がたくさん出ていて参考になった。特にTOEFLのライティングとスピーキングでは、実際に点数が上がった人が紹介しているテンプレートも積極的に試してみた。成功体験をググることで、自分にも同じ道をたどればできると思える自信が得られた」(神奈川県立高校からカナダのマギル大学に進学したKさん)
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