音楽がデジタル化で本当に失っているもの ヒット曲が出にくいのには、ワケがある!
ついにここまで来たのか。いや、「来てしまった」というべきか――。
国際レコード産業連盟(IFPI)が4月中旬に明らかにしたレポートによれば、2014年のCDやレコードなど物理的な「音楽パッケージ商品」の世界全体の販売額は68.2億ドルと、同68.5億ドルだった有料ダウンロードや定額聴き放題などといった「音楽デジタル配信」のそれを下回った。インターネットの普及とともに音楽パッケージ商品の市場は年々減少してきたが、今回初めての逆転となった。
日本の音楽パッケージ市場は3500億円が消失
このことは、過去10数年の音楽ビジネスの変容を物語る。ここ日本でも1998年に生産金額ベースで6074億円と過去最高だった音楽パッケージ商品市場は、2014年に2541億円と全盛期の半分以下にまで落ち込んだ。約3500億円ものマーケットが消失してしまった計算となる(日本レコード協会調べ)。
世界の潮流と同じく、音楽のデジタル化は音楽パッケージ商品市場が衰退している要因だ。アップルの「iTunes(アイチューンズ)」のように楽曲単位で音源を買えるようになったことは象徴の一つ。また、コピーが容易になり、YouTube(ユーチューブ)などのネット無料動画サービスで簡単に音楽を検索して聴けるようになったのも、デジタル化の波だ。日本人がCDをはじめとする音楽パッケージ商品を買う機会が、どんどん減ってしまっている。
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