日本人が持つ「太りにくくなる菌」効果が出る食品 最新調査でわかった「日本人とやせ菌」の関係

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「やせ菌」というと、体重や体脂肪がぐんぐん際限なく減っていく効果をイメージするかもしれません。しかし、ブラウティア菌を高脂肪食マウスに摂取させたら脂肪がつきにくくなった一方で、通常食のマウスにブラウティア菌を与えても体重変化などの影響がありませんでした。つまり、より正確にいうと、ブラウティア菌は「脂肪がつきにくくなる菌」、あるいは「太りにくくなる菌」です。

まさに、肥満を予防・改善して健康を維持する効果が見られたわけです。われわれの調査だと、このブラウティア菌が腸内細菌叢の1%以上を占める日本人は、9割にも及びます。

ただ、注意も必要です。ブラウティア菌の割合が腸内細菌の1%程度だとBMI値が高めの人もいます。6%以上になると、BMI値が標準体型か、やせ型に分類される人の割合が格段に上がるのです。つまり、「ブラウティア菌がいるから大丈夫」と安心してはダメで、ある程度の割合を占める必要があるといえます。

日本人のやせ菌「ブラウティア菌」を増やすには?

このようにお話しすると、「いったい、どうしたらブラウティア菌の割合を増やすことができるのか」が気になりますよね。

今のところ、一番効果があったのは、自分の食事内容を調べて、過不足を整えたときでした。特定の何かを食べるのではなく、摂取栄養のバランスを見て、「自分がとりすぎているものを減らして、足りないものを補う」。そうした「バランスを整える」ことが一番、効果があったのです。

これまで「○○だけダイエットはよくない」という話をしてきましたが、このブラウティア菌こそまさに、「○○だけダイエット」の対極にあるといえるでしょう。ちなみに、こうした栄養バランスのとり方は、多様な腸内細菌の活性化にもつながります。

なお、ブラウティア菌は、先に挙げた代謝促進作用をもつアミノ酸をつくって「やせ菌」として私たちの体に直接働きかけるだけではありません。短鎖脂肪酸の酢酸をはじめ、乳酸やコハク酸、さらには難消化性でんぷんのアミロペクチンも生み出します。ほかの有用菌と協調的に働いて、腸内環境の改善にも効果を発揮してくれます。

さらに最近の研究では、ブラウティア菌はビフィズス菌とも相性がよいことがわかっています。ビフィズス菌が母乳中のオリゴ糖から生み出す乳糖とフコースはブラウティア菌の好物で、結果としてブラウティア菌を増やすようです。

そうした効果も勘案すると、ビフィズス菌や乳酸菌などのヨーグルトに使われる菌とともに、ブラウティア菌も腸活に欠かせない新たな有用菌の一つだといってもよいのではないでしょうか。

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