福島第一の原発事故は日本だけの問題ではない。国際チームで早期解決を--ラインホルド・O・シュタッフ氏
--具体的に今後、東電や政府にはどういう対応が求められるのでしょうか。
現状、東電と保安院による発表を見ている限り、事態収束に向けての計画やタイムラインがまるで見えてこない。サッカーにたとえれば、かなり低いアマチュアサッカーのレベルのような危機対策を行っている。彼らは早々にこのゲームから外した方がいい。
そのかわりに、原発対策を行う専門チームを作り、それを先導する専任のマネージャーを置くべきだ。そして、そのチームを主導するのは管直人首相だけにするべき。チームは日本人だけでなく、チェルノブイリの経験を持つウクライナ人やスリーマイル島事故に係わった有識者、原発先進国であるフランス、英国などあらゆるところから人智を集めるべきだ。日本が単独で頑張りましょう、というのはもう無理。これはすでに世界の問題なのだから、世界で力を合わせないといけない。
一方で、専任チームが実際にどんな計画を、どんなタイムラインで遂行しているかを、日本国民や国際社会に向けてきちんと話せる広報役も必要だ。とにかく大事なのは事態収束へのアプローチをきちんと説明することだ。情報もすべてオープンにすること。今のように枝野官房長官や保安院が不定期に登場して説明をするのではなく、毎日決められた時間に情報をテレビ、ラジオ、ネットなどにアップデートすべきだ。
※この内容はシュタッフ氏の個人的な見解であり、関係する組織の見解ではありません。
プロフィール
ドイツ・ヴルツブルグ大学卒、国立大阪大学大学院にて博士号取得。専門はレーザー核融合。在日ドイツ商工会議所副理事長、前ドレーゲル・メディカル・ジャパン代表取締役社長。日本での滞在歴は通算約19年。
(聞き手:木村秀哉、倉沢美左 =東洋経済オンライン)
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