限られた時間で仕事を終える「ダンドリ力」の極意 社内や取引先との行き違いを避けるには?

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➄相手に聞いてもらうための話すダンドリ

いつも忙しく時間のない上司には、短時間で的確に用件を伝え、必要な指示や判断を引き出すことが求められます。そのためには、まず相手に、「話を聞く」という決断をしてもらうことが肝心です。

「〇〇についてご指示いただきたいことがあるのですが、2分ほどお時間をいただけますか」「〇〇について報告したいのですが、お話しできるタイミングはありますか」などと声をかけ、上司の了解を取ります。相手は「わかりました」「今いいですよ」という了解の言葉を発することで、これから話を聞くというスイッチが入ります。

このときのポイントは、話したい内容をひと言で伝えること。それは、話す内容のタイトルのようなものです。忙しく時間のない上司は、このタイトルを聞いて、今すぐ聞くべきか、あとに回してもよいかを判断しています。

緊急性が高いなら、「そろそろ会場を予約しなければならない時期ですので、イベントについて確認したいのですが」「ご決定いただく日が迫っておりますので」など、「今」時間がほしい理由を伝えます。

『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』P.111
➅結論が先、理由や経緯はあと
限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方
『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「上司が忙しくて、全然話を聞いてもらえず、必要な指示がもらえない」という若手社員の悩みを聞きます。話を聞いてもらうには、こちらからどのように話を持っていくかがとても重要なのです。

最初に言うべきことは、「結論」です。上司にしてほしいことがあるなら、それをズバリ最初に言います。理由や経緯を説明するのは、そのあとです。

メールでも、対面の会話でも同様ですが、受け手が一番知りたいことは、「自分は何を求められているのか」「何をしなければならないのか」です。それが最初にわかると、内容を理解しやすくなります。反対に最後まで聞かないと自分に求められていることがわからない話は、どんなスタンスで受け取ったらよいかがわからず、理解しにくくなります。

話す側は、理由や経緯を順番にすべて話したくなるものです。でもそれはあとにして、まず「結論」を端的に話します。そうすることで、コミュニケーションがうまくとれるようになります。

『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』P.113

これら6つのポイントを踏まえれば、仕事は劇的にスムーズに進むでしょう。ぜひ参考になさってください。

井出 元子 人材育成コンサルタント

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いで もとこ / Motoko Ide

岩手大学人文社会科学部卒業後、株式会社リクルート入社。ITトレーナーとして転職、出版・印刷業界や、移動体通信業界で、人材育成を行う。2008年小宮コンサルタンツに入社、代表であり経営コンサルタントの小宮一慶の秘書を務める一方、秘書業務で培った仕事術を発信、企業研修や秘書室での講演実績多数。人材育成コンサルタントとして接遇指導、新入社員研修、女性社員向けのキャリア研修等を実施。非常勤取締役も務める。

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