ヤフー「検索結果削除基準」は、まだ不十分だ 削除要請に、どう応じるのか?

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今回、ヤフーが「検索結果の削除」に関する基準を発表した背景はなんだろうか。

「昨年5月のEU司法裁判所における『忘れられる権利』判決や、これに続く昨年10月の東京地裁におけるグーグルに対する検索結果の削除決定が影響しているものと考えられます。そのほか、昨年夏にはヤフーに対する京都地裁での判決もありました。

検索結果が違法となる場合はあるのか、そして、検索結果を削除せねばならないのはどんな場合なのかーーヤフーには、そんな問題意識があったのだと思います」

「忘れられる権利」との関係は?

検索結果が「違法」だとされた場合、ヤフーにはどんなデメリットがあるのだろうか。

「プロバイダ責任制限法上、違法なコンテンツの存在を知りつつ放置すると、損害賠償責任を負う可能性があります。ヤフーは、検索結果を削除しないことによる責任をどのように考えているのか、世の中に示したかったのだと思います」

いわゆる「忘れられる権利」との関係については、どう考えられるのか。

「『忘れられる権利』という言葉の定義はあいまいですが、日本ではおおむね、『ネット情報の削除請求権』や『検索結果の削除請求権』という意味でとらえられています。

ヤフーが今回、ある程度これを認めたということですから、『忘れられる権利』にとっては、一歩前進したという印象です」

今後、どのように議論を進めるべきだろうか。

「今回はプライバシーに関する基準だけを公表していますが、ネットでの権利侵害はプライバシーにかぎった話ではなく、名誉権侵害や業務妨害など多岐に渡ります。これらの類型についても、議論を進めるべきです」

神田弁護士はこのように述べていた。

神田 知宏(かんだ・ともひろ)弁護士
フリーライター、IT社長を経て弁護士、弁理士登録。著書としては、インターネット入門書も含めてパソコンソフト入門書が少なくとも70~100タイトル。元、日弁連コンピュータ委員会委員。
事務所名:小笠原六川国際総合法律事務所

 

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