導入迫るマイナンバーで何が便利になるのか 認知度は3割、知っておくべきデメリットも
日本に住むすべての人に割り振られる社会保障・税番号(マイナンバー)制度が2016年1月からスタートする。税や社会保障に関する個人情報を国・自治体が1人1個の番号でひも付けし、公正・公平できめ細かな社会保障などの行政サービスを実現することが狙いだ。外国籍の住民を含め、住民票を持つ人に2015年10月から12ケタの個人番号が通知される。
しかし、認知度は低い。1月に行われた内閣府のアンケート調査によると、「制度の内容まで知っていた」と答えた人はわずか28.3%にすぎない(右下図)。
企業はマイナンバーで、煩雑な対応を迫られる
企業でも「社内の対応をまだ検討していない」「具体的な対応策がわからない」という声が上がる。制度が始まると、企業はマイナンバーを管理する担当者や規定を定め、鍵付きのキャビネットに番号を記載した書類を保管するなど、従業員の番号を厳格に管理しなければならない。
大企業の認知度は比較的高い。が、中小・零細企業となると、「東京はまだましだが、地方に行くと、そもそもマイナンバーのことを知らない経営者が多い」(日本商工会議所)。
日本税理士会連合会の浅田恒博専務理事は「たとえば、居住空間と一緒のマンションの一室で事業を営むような個人事業主に、適切な安全管理措置をどこまで徹底できるのか」と懸念する。
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