経済環境の地域差は如実に出生数の増減に反映されます。
1995年と2020年の出生数の増減率と2020年時点の各都道府県の課税対象所得金額(総務省『市町村税課税状況等の調』より)との相関を見ると、相関係数0.6643という強い正の相関があります。要するに、所得の高いエリアほど出生数が増えているということになります。
47都道府県に加えて、東京23区を加えた相関図が以下になります。バブルの大きさは2020年の出生数です。
47都道府県中、1995-2020対比で出生数が増えているのは唯一東京都だけ、ほかはすべてマイナスです。そして、出生数の増加は各エリアの所得と連動しています。しかも、東京都の中でも所得の多い23区内の出生が増えているわけです。これは、所得の多寡で出生数が変わるといっても言いすぎではないかもしれません。
ちなみに、さらに細かく東京23区内だけで比較すれば、もっとも出生増を記録しているトップ3は、1位が中央区、2位が港区、3位が千代田区といういずれも高所得者の多いエリアで占められます。
反対に、23区内でも出生数が減少しているボトム3は、江戸川区、葛飾区、足立区で、所得からいってもこれらの3区はそれぞれ、20位、22位、23位です。
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