所得が多いほど「出生数増」日本が直視すべき現実 「日本の少子化の元凶は東京にあり」の大誤解

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ご覧の通り、東京は1995年対比で100を下回ったのは2005年と2021年の2回のみで、そのほかはすべて1995年を上回っています。特に、2006年から2015年にかけて出生数は右肩上がりで、2015年には1995年対比17%増です。下がったとはいえ、2021年も1995年対比1%減にとどまっています。

一方、東京を除いた全国合計は、2001年以降下がり基調で、2021年は1995年対比34%も減少しています。全国の出生数を押し下げているのはまさに東京以外の地方であり、唯一30年近く出生数をキープしている東京が日本の出生数を支えていると言ってもいいでしょう。

東京は婚姻数も多い

この東京の出生数の維持を実現させているのは、全国と比較した場合の婚姻数の多さです。こちらも1995年を100とした推移でみれば、東京がこの27年間のほぼ大部分を1995年対比で上回っています。たった2回しか上回っていない東京以外の全国と比較すればその差は歴然です。ちなみに、案外知られていないことですが、東京の人口千対当たりの婚姻率は2000年以降ずっと全国1位です。

では、なぜ、全国と比較して東京だけが婚姻数と出生数が多いのかという点を考察していきましょう。

まず、婚姻数に関しては、その大きな要因のひとつが若者の人口移動によります。ご存じの通り、人口の東京圏一極集中はコロナなど関係なく継続しています。それは日本の人口移動のほとんどすべてが20代の若者の人口移動によって占められているからです。18歳で進学によって上京する数も少なくないですが、圧倒的に20代での移動が群を抜いています。

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