ソルテラに1300km乗って直面した充電環境の現実 6日間の旅で感じた充電インフラのあるべき姿

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4日の朝、満充電で航続可能距離は410km。やはり普通充電で一晩しっかり充電するのが一番安心できると再認識する。この日は和歌山県まで足を延ばして、夜ホテルに戻るとメーターの航続可能距離は214kmと表示されていた。再び、3kW普通充電で5日朝には412kmに回復。連日の満充電で気持ちがホッとする。

5日目、伊賀市から進路を東へとる。新東名高速道路の浜松SAで急速充電を行った。到着時の航続可能距離は、169km。

今回の行程で、初めて最大出力150kWの急速充電器を使用する。この出力150kW対応器は、出力90kWをベースに、一時的に高出力となるブーストモードを備えたもので、充電ケーブル等、機器への発熱を抑える機能がある。今回の充電では満充電の87%となり、航続可能距離は358kmとなった。

新東名高速道の浜松SAで、最大出力150kWの急速充電器を使用(筆者撮影)

6日間、全行程1270kmの旅も終わりへ

新東名高速道路の新御殿場ICから東富士五湖道路へ入り、山中湖ICで降りて忍野八海(おしのはっかい)へ。この日は春分の日で、東名高速道路の名物ともいえる“綾瀬渋滞”や首都高速3号線の渋滞を回避するべく、この地に宿をとった。故・石原慎太郎氏とゆかりのある宿泊施設「センターハウス」で、石原氏の直筆の書などを拝見した。

そして迎えた6日目の最終日。航続可能距離105kmからのスタートだ。まずは、センターハウスからほど近い、忍野村生涯学習センターの出力42kW急速充電器を目指す。

山梨県忍野八海の近く、「センターハウス」敷地内から富士山を望む(筆者撮影)

EVsmartには、同施設のオフィシャルサイトの情報として「故障中で再開のめどが立っていない」という旨の表示があったが、アプリ上は29日前に「使えた」との情報もあり淡い期待を抱いて向かった。しかし、正解はオフィシャルサイトの情報のほうで、やはり故障中。

そこで第2候補としていた甲斐日産自動車 富士吉田店で、出力50kW急速充電(356V×123A=43.8kW)を使い、満充電の65%、残り264kmまで回復させた。これなら、帰路の安心感は高い。

急速充電を行った甲斐日産自動車 富士吉田店(筆者撮影)

富士吉田ICから中央自動車道を経て、首都高速4号線に入り、代々木PAで最後の“充電休憩”をとる。しかし、出力は30kW弱程度と弱く、大きく回復させられないことがわかったため、18分30秒充電を切り上げた。回復した航続可能距離は、223km。

首都高速道路中央環状線、そして同2号線で天現寺ICを降りると、広尾周辺の明治通りの桜はつぼみだった6日前から、一気に開花。気温22度で、春爛漫だ。スバル本社に到着したときのオドメーターは7810km。こうして、全行程1270kmの旅を終えた。

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