ソルテラに1300km乗って直面した充電環境の現実 6日間の旅で感じた充電インフラのあるべき姿

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鈴鹿サーキットを出て買い物ついでに充電しようと、約4km先のイオンモール鈴鹿に寄る。この時点で、航続可能距離は100km。あいにく急速充電は使用中だったので、6kWの普通充電を1時間15分行い、122kmまで回復させた。

20時35分にホテルへと戻ると、航続可能距離は90kmまで減った。表示される航続可能距離が2桁になると、少々不安な気持ちになる。ホテルの部屋で明日の朝の充電について、EVsmartでいろいろ検索して作戦を練る。

その結果、国道23号線に近いセブンイレブンに、出力100kW×2口(1口最大56kW)の急速充電器を見つけた。

急速充電の「システム制御」を観察

3日目の朝7時30分、気温10度。同セブンイレブンに着いた時点で航続可能距離は85kmだ。30分間で22.835kWhチャージでき、これで満充電の61%まで回復。航続可能距離は247kmとなった。

他に充電するクルマがいなかったので、いわゆる「おかわり」充電をした。急速充電では、満充電の80%程度で電池の寿命を考慮して出力を絞る(=電流を減らす)方法をとる。この急速充電器に隣接する設備のアナログメーターを見ていると、満充電の70%程度で電流25Aとなり、80%では電流10A程度まで落ちるのがわかった。80%まで充電し、航続可能距離は325kmまで復活した。

鈴鹿サーキットでスーパー耐久開幕戦の決勝を取材した後、国道25号線で京都府に隣接する三重県伊賀市へ。まずは、イオンタウン伊賀上野店に寄った。

イオンタウン伊賀上野店の出力50kWの急速充電器は長期の故障中(筆者撮影)

EVsmartには、2022年4月4日付で「急速充電機器(50kW)が故障中」との表記があり、またコメント欄には2023年2月11日付で「いまだ故障していて修繕のめどが立たない旨を施設側から説明された」との記載もあり。

一方でEVsmartのアプリ機能として、7日前に「使えたよ」という書き込みもあったので、もしかすると修理済みなのかと思い念のため行ってみたが、やはり故障中だった。使えたのは普通充電のほうだったようだ。

そこで、第2候補としていた、三重日産自動車 上野城北店で「おかわり」充電を含めて、残り341kmに回復させる。

満充電の80%前後での電流の絞り方については、デジタル表示で見ると、満充電の80%で65A、82%で45A、83%で30A、そして84%で16Aと電流が段階的に制御されているのがわかった。

伊賀市内のホテルで夜間に出力約3kWで普通充電を行った(筆者撮影)

この日、宿泊するホテルには普通充電があると事前に確認していたものの、2基しかないので利用は難しいと思っていたが、運よく空いていた。ただし、出力は3kW程度の仕様だ。

次ページ結局、新しい急速充電器に頼ることに…
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