なか卯、卵高騰でも「親子丼40円値下げ」のカラクリ 経営への影響は?「逆張り戦略」の裏を読み解く
先週、出張で関西に出かけた際に泊まったある外資系ホテルの朝食ビュッフェで、「鳥インフルエンザの影響でしばらくの間、卵の提供を休止させていただきます」という案内が出ていて少し驚きました。
私も経済評論家ですから、卵の価格が高騰しているのはよく知っています。卵メニューを休止する飲食チェーンが続出しているのも把握しています。それにしても朝食料金がひとり3000円台の高級ホテルで大好きな卵料理をまったく食べられないとはがっかりしました。
あくまで推測ですが、外資系特有の原価管理が徹底されている経営環境で、かつ、決裁者である上司が着任したばかりのアメリカ人だったのかなと想像したりしました。何しろアメリカでは日本以上に卵の値段が高騰していて、ニューヨークのスーパーでは卵1パックが9ドル(約1200円)もするのです。
そのような世知辛い世相の中であるからこそ、ひときわ目を引いたのが「なか卯」が看板メニューの親子丼を490円(税込み)から450円(税込み)に値下げしたというニュースです。
卵メニューを休止するチェーンが多い中での値下げ
日本全国で卵不足が起きていて、スーパーの卵パックの価格は10個入りで300円台になっているお店もあります。飲食業界では卵メニューを休止する動きが上場主要外食100社の3割にまで広がっています。
このような経営環境の中で、なか卯がなぜ、卵をたっぷり使う親子丼の価格を40円も下げることができたのでしょうか。競争戦略の視点からこのメカニズムを解説してみたいと思います。
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