ついに出た「動画生成AI」バカにできない出来映え 短い単語を入れるだけでショート動画を生成

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グーグルと、フェイスブックの親会社であるメタは昨年、最初の動画生成システムを発表したが、一般公開はしなかった。いずれこのシステムが、これまでにないスピードと効率で偽情報を拡散するのに使われることを懸念したためだ。

しかし、ランウェイのCEO、クリストバル・バレンズエラは、この技術は、そのリスクを考慮に入れてもなお、研究室に閉じ込めておくにはあまりにももったいないと考えていると話す。「これは、過去100年間に開発された中で、最も印象的な技術の1つだ。人々に実際に使ってもらう必要がある」。

短い説明文でも動画を生成

もちろん、フィルムやビデオを編集、操作する技術は、何も新しいものではない。映画制作者は100年以上前からそれを行ってきた。近年、研究者やデジタルアーティストは、さまざまなAI技術やソフトウェアプログラムを使い、ディープフェイクと呼ばれる動画を作成、編集するようになっている。

しかし、ランウェイが開発したようなシステムはやがて、編集技術を、ボタンを1つ押すだけの作業に変えてしまうかもしれない。同社の技術は、どんな短い説明文からも動画を生成する。

まずは、簡単なメモを取るかのように説明文をタイプする。動きがあるが、動きが多すぎないシーンが最適だ。例えば、「雨の日の大都会」とか「公園で携帯電話を持つ犬」のように。そして、それを入力すると、システムが1、2分でビデオを生成する。

「絨毯の上で眠る猫」といったよくある映像を再現できるし、「誕生日パーティーに参加する牛」のように、異質なコンセプトを組み合わせて、奇妙で面白い動画を生成することもできる。

動画の長さはわずか4秒で、よく見るとぶつ切りでぼやけている。時には、奇妙な、歪んだ、不穏な映像になることもある。このシステムには、犬や猫のような動物と、ボールや携帯電話のような無生物を合体させる方法もある。しかし、適切な指示を与えれば、テクノロジーの未来を映し出すような動画が出来上がるのだ。

AIの専門家であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のフィリップ・イソラ教授は、「現時点では、高解像度の動画を見ればたいていそれを信頼しますが、この状況はかなり早く変化するだろう」と語る。

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