ついに出た「動画生成AI」バカにできない出来映え 短い単語を入れるだけでショート動画を生成
「Runway AI(ランウェイAI)」という名のニューヨークの新興企業でソフトウェアアーキテクトを務めるイアン・サンサベラは、見たい動画の短い説明文をタイプした。「森の中の静かな川」と。
2分もしないうちに、実験的なインターネットのサービスが、森の中の静かな川の動画を生成した。木々やシダの間を縫うように流れる川の水が、陽光を浴びてキラキラ輝き、角を曲がり、岩の上で優しい水しぶきを上げている。
テキストを入力すると動画を生成
近く少人数のテスターのグループにサービスを公開する予定のランウェイは、近い将来、コンピューター画面上のボックスに単語をいくつか入力するだけで動画を作成できるようになるという、人工知能(AI)技術を開発している企業の1つだ。
同社は、マイクロソフトやグーグルといった大手企や、ランウェイより小規模なスタートアップがこぞって参入している新たなAIシステムにおける開発競争の「次の段階」をまさに象徴している。この新しい技術は、ウェブブラウザやiPhoneと同じくらい、テクノロジー分野における「ネクスト・ビッグ・シング(次の大物)」になりうると考える人もいる。
この新たな動画生成システムは、映画製作者やほかのデジタルアーティストの作業をスピードアップさせる一方、見分けるのが困難なネット上の偽情報を生成する、新たな手っ取り早い方法となり、ネット上の情報が本物かどうかを見分けるのを、一段と難しくする可能性がある。
これらのシステムは、テキストや画像、サウンドを瞬時に生成する、ジェネレーティブAI(生成系AI)として知られるものの一例だ。別の例は「ChatGPT(チャットGPT)」で、これは昨年末にその能力でテック業界を驚かせたサンフランシスコのスタートアップ、OpenAI(オープンAI)が開発したオンラインチャットボットだ。