崖っぷちのシャープと復活のソニーを分析

2社はなぜここまで明暗が分かれたのか

ソニーの業績は、この金融業によってだいぶ救われている部分があります。事業別の業績をまとめたセグメント情報によると、営業利益1663億円のうち、金融業は1423億円を占めています。一方、スマートフォン事業などが含まれる「モバイル・コミュニケーション」はマイナス1654億円、人気商品プレイステーション4の販売が好調だった「ゲーム&ネットワークサービス」は537億円となっています。

ソニーは、主力事業の不振が金融業によってかなりカバーされているという構図になっているのです。

液晶に賭けて失敗したシャープ、リスクを避けたソニー

製造業は、景気循環の影響や製品の“当たり外れ”によって、業績が大きくぶれる特徴があります。例えば、新しい技術が突然出てきた途端、それまでの技術が一気に陳腐化してしまう可能性がありますし、最先端の技術を持っていても、狙いが外れて需要が少なければ、売り上げが伸びないこともあるのです。

しかも、この業界は多額の設備投資を必要としますから、市場の読みを見誤ると大きなダメージを受けてしまいます。

その典型例が、シャープです。同社は液晶に賭けていました。世界最大の液晶工場である堺工場は、パネル工場だけで3800億円、インフラ整備費もあわせるとさらに巨額の資金を要しました。成功すれば大きな利益が出ますが、失敗すれば巨額の損失はまぬかれません。

確かに、シャープは世界最先端の液晶技術を持っていますが、それでも勝てるとは限らないのです。特に、液晶はコモディティ化が進み、海外でも安くて高品質の商品が作られるようになりましたから、競争力が弱くなってしまっています。最先端の技術でも差別化が難しくなっているのです。

その一方で、かつて液晶に関して賢い選択をしたのがソニーでした。以前は、ソニーも液晶を製造していましたが、液晶テレビの不振によって事業を縮小したのです。何千億円もかけて液晶工場を建てるよりは、他社から液晶を買うようにすればいいと考えたわけです。つまり、液晶では勝てませんでしたが、その分のリスクを回避したのです。

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