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崖っぷちのシャープと復活のソニーを分析 2社はなぜここまで明暗が分かれたのか

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さらにソニーは、収益の安定性を図るためにだいぶ以前からソニー生命などの金融業を始めていました。金融業を進めた盛田昭夫氏は、先見の明を持っていたと思います。まさに今、主力事業が苦戦している部分を、金融業が支えているわけですからね。

いざという時の「縮む能力」と「安定収益源」はあるか

企業経営というのは、ひとつはいざという時に小さくなれる能力が持てるかどうか、という点が重要です。借金をして資金投入すれば、事業は大きくすることはできますが、大きくした事業を、危機時に縮小できるかどうかが勝敗を分けるのです。もうひとつは、ソニーの金融事業のように、比較的安定した収益を得られる事業を持っているかどうかということです。

ソニーはかつて、「小さくする戦略」をとりました。液晶から撤退することで期待できる利益は減りますが、失敗したときのロスの可能性(ダウンサイドリスク)を小さくしたというわけです。

一方、シャープは巨大工場を作ってしまったわけですから、後戻りができません。例えるならば一方通行しかなく、その先にも出口がなかったのです。これがシャープの敗因だと思います。

巨額投資という名の一方通行の先が、青天井で開けているのか、あるいは崖っぷちになっているかは、予測が極めて難しいのです。はっきり言って、やってみないとわかりません。

今、シャープは本業不振と資金繰りのダブル要因で苦しんでいますが、短期的な先行きは銀行の出方に懸かっています。そこである程度、資金繰りのメドがついたら、今度は次の戦略をどう打ち出していくか、というところが焦点となります。引き続き、シャープの動きには注意が必要です。

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