勝ち負け鮮明!「時価総額ランキング」TOP100 第一三共躍進の一方で、ソフトバンクGが転落

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第一三共は前年の27位から7位に急上昇した(写真:編集部撮影)

世界的なインフレ進行と、欧米の中央銀行の利上げによる景気減速懸念に怯えながらボックス圏で推移した2022年度の日本株。2021年度は日経平均がバブル以来となる3万円を回復した一方で、年度末にロシアのよるウクライナ侵攻による動揺で2万5000円を割り込むなど激しい値動きをみせたが、2022年4月以降は狭いレンジでの値動きとなっている。

昨年3月末2万7821円だった日経平均株価はこの3月末は2万8041円。1年でわずか220円の上昇にとどまった。ただ、個別の銘柄をみると、評価を上げた勝ち組と、兆円単位で時価総額を失った負け組が鮮明だった。

コロナ禍の2020年度に躍進したグロース株、高成長企業の人気離散が続いた一方で、岸田政権の資産所得倍増計画の目玉となったNISA拡充で、高配当銘柄は人気を集めた。また、前半は中国のゼロコロナ政策に苦しんだ企業が、経済再開の中で2023年に入り復調を先取る動きも目立った。

時価総額をもっとも増やした第一三共

今年の3月末の時価総額ランキング1位はトヨタ自動車。前年3月末から時価総額を5.5兆円も減らしたが国内首位の座は動かなかった。1年前は2021年12月のEV戦略発表会を好感し2022年1月に上場来高値を更新したばかり。ただ、2021年3月末の時価総額28.5兆円は上回っており、30兆円台を何とか維持した格好だ。いずれにしても、納期遅れと資材高が響いて2023年3月期の利益は一歩後退となりそうで、買い材料は乏しかった。

トップ3では、2023年3月期大幅増益のキーエンスが2位に上昇、微減益のソニーが3位に後退する動きもあった。

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時価総額をもっとも増やしたのが、前年の27位から7位に急上昇した第一三共。英アストラゼネカと共同開発した抗がん剤「エンハーツ」が好調で、乳がん向けの適応追加が株式市場の評価をさらに高め、時価総額は3月末に9兆円超。1年で4兆円を超す拡大となった。一方で中外製薬が13位から26位にランクダウンしており、新薬の成否が明暗を分けた格好だ。

ファーストリテイリングもトップ10に戻ってきた。2022年8月期は欧米事業が好調、相次ぐ増額修正で最高益を更新した。配当の増額も好感し株価も大きく上昇した。昨年10月に示された2023年8月期見通しも市場予想を上回る強さで、増配方針も好感された。中国のゼロコロナ政策緩和も買い材料となり、年間で2.5兆円の時価総額増。前年の16位から8位と、2年ぶりのトップ10入りを果たした。

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