コロナ禍が上場企業の雇用に与えた影響はどの程度なのか。有価証券報告書で各社が公表している従業員数を基に、各社の非正社員と正社員の雇用に与えた影響を調査してランキングした。
コロナの影響を受けていない「コロナ前」を2017年11月期~2018年10月期、コロナ影響を最も受けた時期を2021年11月期~2022年10月期として比較している。時期で比較しているため、個別の企業によってはコロナ影響とは関係ないケースも含まれる。
順位は非正社員の減少率が高い順とした。ランキングには正社員の減少率も併載している。数カ月から1年など有期の雇用期間を過ぎたら契約満了となる、再雇用の義務のない非正社員のほうが減少率は大きかった。ランキング上位にはコロナの影響を強く受けた、飲食チェーンや旅行関連企業が目立つ結果となった。
事業撤退や不採算店舗の閉鎖で大幅減に
1位は業務用カラオケ機器の賃貸・販売をメイン事業とする音通。調査期間内に100円ショップ「FLET’S」の運営から撤退したことが大きく、大幅減となった。足元は主力のカラオケ機器の事業が回復、業績も復調している。
2位は名古屋に本社を置く外食チェーンのジェイグループホールディングスで、居酒屋「芋蔵」などを展開している。新型コロナの影響を受け、不採算店舗を閉鎖した結果、飲食事業で非正社員が減少していた。足元ではコロナの影響も緩和、地域に合わせた新店舗を増やしている。
3位は消費者ローン大手のアコム。海外事業で有期契約社員がこの期間に454人から4人に減少したことが大きかった。主力のローン・クレジット事業の非正社員数は84人から70人に若干減少しているものの、急激な変化は見られなかった。
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