日本企業の中で、長期的に利益を出し続け、着実に積み上げている企業はどこなのか。東洋経済オンラインでは、過去10年にわたって純利益を積み上げてきた企業を独自に調べ、トップ500社をランキングした。調査対象としたのは2022年5月期までに本決算を迎え、上場を続けてきた企業。10年以内の新規上場会社や変則決算などのためにデータがそろわない企業は原則として除いた。トップ60位の日本郵船までが、10年間で1兆円を超える利益を積み上げている。
計算に用いた純利益は、本業と本業外の損益、法人税などの税金を支払って、最終的に会社に残る利益のこと。配当の原資にもなり、会社が稼いだ純粋な利益である。単年度で比較する場合は、資産売却などによる一時的な利益や法人税の免除などで増えることを考慮しなくてはいけないものの、10年の単位でみればこうしたイレギュラーが修正され、本当の実力値を知ることができる。
トップのトヨタを超える企業は現れるか
ランキング1位はトヨタ自動車。この10年で20兆円を超える純利益を積み上げている。単年度の最高額は直近の2022年3月期の2兆8501億円で、これは11位の日立製作所が10年間をかけて積み上げた利益額に相当する。
2位はソフトバンクグループ、投資会社に変貌を遂げたことで、直近では純利益の変化が極端になっている。2021年3月期は単年で4兆9879億円になった一方で、直近の2022年3月期には1兆7080億円の赤字になった。安定性はないものの、1兆円規模の利益水準を続けてきていて、断トツのトヨタ自動車の座を仮に奪うとすればソフトバンクグループになるかもしれない。
3位の日本本電信電話(NTT)は、この10年の間にソフトバンクグループには抜かれたものの、安定性は高い。悪いときでも毎年5000億円を超える純利益を稼いでいる。インフラを押さえている通信企業はいかに安定性が高いのかということが伺える。
上位に並ぶのは日本を長く支える大手企業ばかりだ。ランキングは500位まで公開しているが、下位でも赤字になることなく安定的に利益を積み上げている企業も多い。むしろランキング下位の500位付近にこそ、これから日本を支える優良企業が眠っている可能性があるので、最後まで確認してほしい。
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