生涯給料とは、新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額のことだ。これまで「全国トップ500社」「東京都トップ500社」などのランキングを紹介してきたが、今回は「東京を除く関東」に本社を置く会社のランキングをお届けする。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の各県に本社を置く企業304社。単体の従業員数が10人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いた。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「令和3年賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、連結ベースの年収を算出するのがベストだが、元データとして使用している有価証券報告書のデータが提出会社のものであるため、単体の年収数字となっている。
なお、本社の中枢機能を担う社員しかいないケースの多い、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いた。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
トップはレーザーテックの5億1412万円
神奈川県に本社を置く企業が上位にランクインしており、10社のうち8社を占めた。1位は横浜に本社を置くレーザーテックで5億1412万円。半導体マスク欠陥検査装置を柱とし、マスクブランクス検査装置のシェア100%という強みを持っている会社だ。
2位は埼玉県に本社を置くワコムの4億0275万円。ペンタブレット大手でコロナ禍には巣ごもり需要で大きく業績を伸ばした。3位は東京汽船の3億6125万円。東京湾全域に展開する曳船大手で国内2位という会社だ。
304社の生涯給料を単純平均すると2億1215万円。全国平均の2億2684万円と比べると少し落ちる結果となった。
一方、平均年齢が極端に高くなっているケースなど、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、推計値といわゆる正社員の実態との乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。