企業に就職する場合、どの程度の年収を得られるかは、まずその企業がどの業界に属しているかを見ることが重要だ。
企業は従業員への給与をこれまで蓄積してきた利益の中から配分する。たとえば重厚長大産業のメーカーなどは、多額の設備投資が必要なため、その分は従業員への給与を抑えざるをえない。こうした業界の特性が平均年収の水準を決める大きな要素となる。
そこで今回は自動車業界とその周辺を取り上げ、その中で平均年収が高い順にランキングを作成した。対象は、自動車や自動車部品企業の多くが含まれる東証33業種の「輸送用機器」に分類される企業としている。
ランキングでは5期前の平均年収も併記。そこから増加しているか、減少しているかトレンドを見ることも重要だ。
トップは順当にトヨタ自動車
首位は自動車で世界首位のトヨタ自動車となった。コロナ禍や資材高騰といった環境においても業績は好調で順当な結果といえるだろう。
2位は自動車ではないが、変速機、ブレーキ部品などの自転車部品で世界首位のシマノ。欧米で電動向けが好調で、営業利益率は20%を超える高収益企業だ。
3位は日産自動車。ゴーン元会長逮捕以降は、一時期混乱していたが、足元で業績は回復傾向にある。
4位は自動車部品で国内最大手のデンソー。ただ5期前からはやや減少している。