「中国が日本人を拘束」の透ける狙いに打つ手は? 橋下徹氏「日本もスパイ防止を持って対抗を」
松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):今回の日本人拘束に関して中国側は容疑内容を明らかにしていない。中国は法治国家であり、法律に違反した者は取り締まるとの建前論を言っている。これまでにも多くの日本人が中国で反スパイ法に違反したとして拘束されている実態がある。林外相はどう交渉に臨むべきか。
容疑内容不明の拘束が続発
長妻昭氏(立憲民主党政調会長・元厚労相):まずは領事との面会を実現させるということだ。どういう状態にあるのか、早期の釈放(を求め)、起訴前に手を打たないと長期の収容ということになりかねない。獄中で亡くなる日本人もいる。とんでもない話だ。この人を含めいまも5人が拘束されている。外交カードに使うようなことは絶対あってはならない。
古本屋で資料を買った、あるいは中国の要人に北朝鮮の状況について話題に出したことなどで拘束されている人もいるようだ。反スパイ法第38条には「その他のスパイ活動」と明記され、全く抽象的だ。理由も言わずにこういうことをやっており、相当強い姿勢を林外相には示してもらいたい。
梅津キャスター:橋下さんの意見は「やられたらやり返す!スパイ返しだ!」。少し前に話題になった台詞という感じだが。
橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):ちょっともう古いかもしれない。日本にはスパイ防止法がない。成熟した民主主義国家であったとしても先進国はみなスパイ防止法を持っている。日本は法治国家で法の支配が守られている。でも日本を一歩出ると、法治国家でない国は山ほどある。そういう国がどういうことをやるか。今回、中国が反スパイ法で日本人を拘束したのは、どうも外交のカードとして使っているのではないかと(思う)。日本も半導体製造装置の対中輸出管理厳格化などいろいろ言っているわけでしょ。
松山キャスター:日本も中国に対して半導体製造装置の輸出管理厳格化を打ち出した。
橋下氏:日本もスパイ防止法、反スパイ法を持って、国際社会で、スパイ防止法で(日本人が)拘束された場合にはやり返す。互いに交渉して相互解放するとか、こんなの日本の外ではしょっちゅうあることなのではないのか。