日経平均は「4月の激しい攻防戦」後どうなるのか 「GW前に2万9000円台到達」への期待が高まる

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3月30日にはボストン連銀のスーザン・M・コリンズ総裁が「FRBは年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きい」と発言した。

だが、S&P500種指数を基に算出されるVIX指数(恐怖指数)は当日19.02と、「恐怖の下限」とされる20ポイントを下回り、「SVBショック」前の数字に戻った。市場は「意外に早く金利正常化(今回は利下げ)に移るのでは」と期待している。

繰り返しになるが、4月は国内ファンドの運用や証券会社の積極的な営業を仕掛ける月だ。企業も連休前に年度の見通しに目鼻を付けようとする。今年のGW(ゴールデンウィーク)は5月1日、2日を休むと9連休。この連休前にひと区切りつけるため、4月上中旬の市場は一気に動く可能性がある。多くの市場関係者が期待しているとおり、相場も上昇でいいのだろうか。

「再びテクニカル破り」が起きる?

あらためて日経平均の値動きを見てみよう。前回の「日経平均株価はこのまま下落してしまうのか」の配信時(3月20日)では、日経平均の25日移動平均線と75日移動平均線は下向きになっていた。かろうじて上を向いていた200日移動平均線も、翌日には下向きになりそうで、移動平均線のモメンタム(勢い)は極めて悪い形になっていた。

だが「市場では頻繁にテクニカル破りが起こる」として、「この移動平均の形は意外に『陰の極』になりやすい」と書いたのを覚えておいでだろうか。事実、3月22日の日経平均は前営業日比520円の大幅高で200日線は下向きにならず、逆に株価は75日線と200日線を一気に超えた。その後、29日の前日比365円高で25日線をも超え、31日にはSVBショックで割れていた2万8000円台も回復した。

今や、25日線と75日線は上向きに転じ、200日線もこのままなら今週中に上向きに転じそうだ。テクニカル面では今度は極めていい形で、まさに3月20日時点の逆の形になった。

ならば、再び「テクニカル破り」で「ここは売り場になるのでは?」との不安も生ずる。昨年初めからの日経平均は2万8000円台を売り、2万6000円割れを買えば、見事な逆張り投資ができた。「またまた今回も」ということだ。

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