スカウト採用に失敗する会社が抱える根本問題 採用できない会社はいったい何がダメなのか

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副次的な効果として、役員の採用マーケットへの理解が深まり、今まで人事だけでは変えられなかった採用体制や方針に変革が起こることがあります。役員陣に昨今の採用状況の難しさが伝われば、採用予算が増えることもあるでしょうし、積極的に面談や面接に臨んでくれるかもしれません。

一方で、懸念点は役員の拘束時間が増えてしまうことです。ですが、本来採用すべき人を現場社員が一次面接の段階で見送ることで採用が長引くよりは、一次面接から役員が対応するほうが効率はいいとも考えられます。

採用できない会社によくあること

ケース2 求める人材の要件定義を現場に任せすぎ、転職市場と乖離した高い採用要件になってしまう

採用できていない会社によくあるのが、転職市場の現状と乖離した採用要件で募集をかけてしまっていることです。難しい要件だと認識したうえで、採用の長期化、採用コストの増大化を見越しているなら問題はないのですが、逆に「難しい案件だ」と認識していないのは大きな問題です。

採用要件のレベルが高くなってしまう原因は、大きく2つあります。1つ目は、社内の力関係として現場より人事が弱い場合です。

現場のメンバーは転職市場がどうなっているのかを把握していません。事業を加速させるためにできるだけ優秀な人を採用したくなるのは当然です。そのため、必要に応じて転職市場を理解している人事側から説明をして、適切な要件緩和を行います。

ここで現場が人事の説明に聞く耳を持ってくれないと、高すぎる採用要件のまま採用を続けてしまいます。

困った人事は、採用要件は変えられないということを前提に、採用チャネルを増やしたり、訴求方法を細かく変えたりしますが、結果に結びつくことは稀で、時間がかかることになります。

2つ目は、現場の仕事内容や現場の求める専門技術を人事側が理解していない場合です。特にエンジニアのような専門職を採用する場合、人事側が現場の求める採用要件と転職市場を正しく理解できずに現場から上がってきた要望をただ求人票に落とし込むだけになっていることがあります。

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