他人事じゃない!日テレ「旧本社跡地開発」の混沌 住民が猛反発、町会長が訴えられる異例の事態に
こうした状況は地方都市の問題に止まらない。長期的には人口減少が進み、再開発案件において収益源だったオフィスビルや住宅の需要も徐々に縮小していくだろう。新たに生み出された床に、テナントなどがつかず空室のままであれば、その地域にとって“不稼働資産”となりかねない。
容積緩和を活用して利益を上げる手法には限界があるとの認識はデベロッパー側にもある。「成熟した日本社会での過大な容積緩和に意義があるとは思えない。その街にあったボリュームや容積率の開発計画を立てるべきだ」。2023年3月22日、大手デベロッパー各社が加盟する不動産協会が開いた記者会見の場で、理事長を務める三井不動産の菰田正信社長はこう強調した。
千代田区の都市計画案を審議する場で、ある審議会メンバーは「大規模な建物はそれだけ災害や老朽化のリスクを背負う。床面積と事業性がイコールでみられているが、千代田区にとっては空間の余地も大きな付加価値だ。不動産の価値については今後、床面積で稼ぐ以外の在り方を考えるべきだと思う」と語った。
日本テレビホールディングスの旧本社跡地の再開発をめぐって、自治体やデベロッパーと住民の対立が激化。一部住民が地元の町会と町会長を東京地裁に訴える、前代未聞の展開となっている。対立の行方は、今後の大規模開発のあり方を問う意味で重要な側面を持つ。
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