仕事ができない人は会計と原価がわかっていない 根本を知ることで自分の働き方の理解も進む

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財務会計と管理会計の違い
(出所)『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術』(自由国民社)

(外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

そして、ビジネスパーソンに必要なのが管理会計を理解することです。

管理会計は大きくは2つ。

一つは予算管理。もう一つは、経営分析です。

予算管理は中長期の事業計画を策定し、いつまでに何をどのように達成するのかという計画を立てることです。

部や課で受注数などの目標数値があったりするかと思います。そういった数値は、身近な予算管理の一例です。 

そして、その予算が現実と乖離していないかをみるのが、予実管理です。予算の達成が厳しければ、コストを減らしたりして帳尻を合わせていると思いますが、これこそが管理会計の予算管理なのです。

経営分析は、適正な利潤をあげるためにあります。

たとえば、受注を増やしてもそれにともなってコストの方が膨らんでいては営業利益を圧迫してしまいます。そうならないために、さまざまな指標が設けられますが、私がいままで経験した職場では、それが「現場で理解されていない」と感じることが多くありました。

この経営分析の仕方のコツをつかむことが本質的に会計を読めることにつながります。

知っておかなくてはならない原価計算

経営分析の仕方を押さえるうえで大切なのが、原価計算です。代表的な原価計算は2種類あります。

全部原価計算と直接原価計算です。

全部原価計算は、製品が売れてはじめて計上される製品原価にすべての製造原価を計上する方式です。一方、製造原価の内、変動費分を売上原価として計上し、固定費分を期間原価として計上するのが直接原価計算です。

変動費は、材料費や外注加工費です。

そして固定費は、人件費、経費や設備投資(減価償却費)です。

これらは経営者が必要量を計画し、投入する費用です。

固定費の投入を誤ると、過大投資による赤字や、過小投資による機会損失を招きます。

会社経営に大きな影響を及ぼすためコントロールしなくてはいけないのが固定費です。その固定費を分けて示すのが、直接原価計算。

全部原価計算では変動費と固定費が混ざっていますので、固定費のコントロールがしづらいのが難点です。

また、全部原価計算では、販売実績以上に製品を作っても、売れなければ費用化しません。

つまり、全部原価計算では、製品が売れようが売れまいが、できるだけたくさん作った方が、期末在庫(棚卸資産)が増えて、対象の決算期の利益は出やすくなるのです。

作り過ぎた製品は、次年度に繰り延べられます。繰り延べられた製品が売れなかった場合、廃棄することになれば、そこで製造原価相当の費用を計上しなければなりません。

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