宇宙に思いを馳せると私たちの本質が見えてくる 観測可能な星の数はビーチの砂つぶの数と同じ
太陽系(図1)を100億分の1のサイズに縮小すると、太陽はグレープフルーツの大きさになり、地球はそこから5メートル先にある針の先の大きさになります(図2)。太陽から地球までの距離はおよそ1億5000万キロメートルで、この距離は1天文単位(AU)と定義されています。地球がぎっしり1万個ぐらい入る距離です。
太陽の周りには8つの惑星があります(図1)。太陽系で最も大きな惑星は木星、最も遠くにある惑星は海王星です。さきほどの太陽系縮小モデル(100億分の1)の中では、木星は太陽から78メートル先にあるビー玉、海王星は太陽から450メートル先にあるボールペンの先になります。太陽から歩いて木星まで1分、海王星までは5分半かかる距離です(図2) 。
これら8つの惑星と少なくとも5つの準惑星、200以上の衛星(月は地球の衛星です)、100万以上の小惑星、おそらく10億以上はある彗星を含めて、太陽系と言います。みんな同じガスのかたまり、原始太陽系星雲から生まれており、太陽の重力でガッツリまとめられている、言ってみれば家族みたいなものです。私たちは太陽家に属しているのです。
「重力とは何か?」については、ここでは「質量を持つモノとモノの間に働く引力、お互いを引きつけ合う力」だと理解してください。
天の川銀河(都市)
太陽は数千億個の星からなる天の川銀河(図3)にある、1つの星です。街の光から離れて夜空を見上げたことはありますか? 空(=天)には、星々からできた川があたかも流れているように見えると思います。この「川」が天の川の由来です。私たちは天の川銀河の他の星々を見ているのです。
天の川銀河の数千億個の星々を、一人の人間が、1秒に1つずつ数えていったら何年ぐらいかかると思いますか? 数千年かかります。一人の人間が生きている間に数えきることはできません。「星の数ほど男(女)はいる」という表現がありますが、男も女もそれぞれおよそ40億人、天の川銀河内の星の数のたった1%に過ぎません。「星の数ほど」男も女もいないのです。出会った人を大切にしましょう。
太陽から最も近い星は、3つの星がお互いの重力でまとまってグループを作っている三重連星、ケンタウリ座アルファ星系です(南半球からしか見えません)。太陽からの距離はおよそ40兆キロメートル。1兆は0が12個もある大きな数ですが、ここまで数が大きくなると、地球のキロメートル感覚では比較が不可能になります。よって距離の単位を「光年」に変えます。1光年は、1秒におよそ30万キロメートルで動く光が1年に移動できる距離で、だいたい10兆キロメートルです。太陽から最も近い3つ星までの距離はおよそ4光年です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら