結局キャリアは後付けで考えたほうがいい理由 伝説のレストラン「エルブジ」に学ぶ生存戦略
なぜか? その大きな理由の1つは、そのロジックの出発点となる「キャリア像」の賞味期限が日に日に短くなっているからです。
平たく言えば、数年後に目指したそのポジションや職がそのままあるとは限らない、ということです。
UXデザインという業務はひょっとしたら社内に残ってないかもしれないし、もし残っていたとしても、数年後にはAIによる影響を少なからず受けている可能性があります。基本的なデザインはテクノロジーがやっているかもしれません。そして、そのときのデザイン業務は、今の自分が望んでいるものではない可能性があります。
昨今の短期間でのChat GPTの進化を目の当たりにしている私たちにとって、数年先の業務のあり方など誰も予測できないのです。
あるべき姿は後付けで見えてくる
このようなダイナミックな変化を目の当たりにしたとき、今までのように数年後の「あるべき姿」を目指し、その能力要件をブレイクダウンして、その欠けた能力を長期間にわたって補っていく、というような時間軸は、リアリティーを失いつつあります。あるべきキャリア像から逆算して学ぶべき内容を考えるアプローチは、ビジネスが安定的であり、組織が固定的であれば通用する考え方なのです。
もし社会がそうでなくなったのであれば、そのアプローチそのものを変えなくてはなりません。
では、どうするか?
そのヒントは、西山圭太氏著『DXの思考法』にある伝説のレストラン「エルブジ」の調理方法に見いだすことができます。
同書籍によれば、かの有名レストランのエルブジは、食材とテクニック、そしてソースについて、それぞれ独自に磨きを重ねていき、食材×テクニック×ソースから構成される表(メンタルパレット)を作り上げていたとのこと。つまり、いきなり具体的なメニューを考えることをせず、メンタルパレット内の要素の完成度を追求していく。
そして、最終的にその時々のニーズに合わせて、要素同士を組み合わせていき、クリエーティブなメニューを生み出していくのです。
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