エヌビディアのジェンスン・フアンCEOがCOMPUTEXで「AI向けスーパーコンピューターを台湾に造る」と表明、その背景と将来プラン

世界最大級のIT見本市「COMPUTEX 台北(コンピュテックス、台北国際電脳展)」が5月20日に台湾で開幕した。
今年のテーマは「AIネクスト」。アメリカのトランプ大統領による関税措置発表後、世界のIT産業の幹部がアジアに集まる初のイベントとなる。米中対立の激化でハイテク産業のサプライチェーンが大きな試練を迎える中、経営者や技術者が集まり、IT産業の方向性を議論する。
実際、3月にインテルのCEOに就任したばかりのリップブー・タン氏も、19日に台北に入り記者会見したほか、20日もCOMPUTEXでは初となる鴻海精密工業(ホンハイ)の劉揚偉CEOによる基調講演も行われる予定だ。
そして開幕前日の19日には、主催団体による国際記者会見やエヌビディアのジェンスン・フアンCEOによる基調講演も行われた。
もはや単なるテクノロジー企業ではない
「大家好(皆さん、こんにちは)」。中国語で挨拶して颯爽と壇上に現れたフアンCEOは「今日は両親も聴きに来ている」と笑顔で語りかけ、基調講演を始めた。
講演で繰り返し強調したのはAI・コンピューター産業の重要性と、エヌビディアと台湾企業や研究機関との関係性だった。フアンCEOはテクノロジーが社会を大きく変えて発展してきたことを念頭に、「コンピューター産業は世界で最も重要な産業の1つだ」と指摘した。
さらにフアン氏はエヌビディア創業時を振り返って、「1993年の立ち上げ時、エヌビディアの商機は300億ドルある考えていた。ただ、今は300億ドルの半導体事業から、1兆ドル規模のデータセンター事業、そして数兆ドルのAIインフラ産業というエキサイティングな未来に進んでいる」と語った。
「エヌビディアは単なるテクノロジー企業ではなく、インフラ企業であると意識するようになった」(フアンCEO)。そしてそのインフラ事業を支える中心地が台湾であることをアピールした。
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