結局キャリアは後付けで考えたほうがいい理由 伝説のレストラン「エルブジ」に学ぶ生存戦略

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だから、まずは過去を振り返ることで、このパレット上の絵の具のラインナップを理解することから始めるのです。

そして、それと同時に、これから経験していくこともすべて新たなカラーの絵の具として、パレットに整理していく。そうすれば、いざというタイミングで、そのカラフルな絵の具を通じて自己表現ができる可能性が高まるのです。

学ぶことそのものが目的になっていい

このアプローチは、あるべき姿と現状のギャップを埋めるための「手段としての学び」ではありません。学ぶことそのものが目的になります。楽しいから学ぶ。それで十分なのです。

冒頭では、UXデザインを学ぼうと思っている人の事例を出しました。数年後に UXデザイナーという職業があるかわかりませんが、それでも今UXデザインに心が動くのであれば、それに従って楽しんで学べばいいのです。

そして、もしその過程で得た発見をラーニングパレット上にしっかり残すことができれば、おそらくその経験は、自分でも想定していなかったユニークなキャリアを描くための必要不可欠な要素になっていることでしょう。

荒木 博行 学びデザイン社長

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あらき ひろゆき / Hiroyuki Araki

住友商事、グロービス(経営大学院副研究科長)を経て、株式会社学びデザインを設立。フライヤーやNewsPicks、NOKIOOなどスタートアップ企業のアドバイザーとして関わるほか、絵本ナビの社外監査役、武蔵野大学で教員なども務める。『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』シリーズ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界「倒産」図鑑』(日経BP)など著書多数。

 

 

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