【メンタル不調を改善】精神科医が勧める食事術 心を元気にする栄養素・4つの"タシテヨ食材"

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「私が診察したある患者さんは、そううつ病で10年以上ひきこもり状態が続いていました。でも血液検査の結果、葉酸値が基準値より低いことが判明し、葉酸サプリを飲用するとともに、葉酸が豊富なレバーや納豆を積極的に摂取するよう指導しました。

すると、みるみる症状が改善、今では職場復帰を目指せるまでに回復しています」

このように、身体の栄養状態を確認し、食生活を見直したことで、活力ある毎日を送れるようになったという事例は少なくない。

もしも今、なんとなく気分が落ち込む、やる気が出ないといったメンタル面の不調を感じているようなら、まずは日々の食事内容を見直し、積極的に『タシテヨ食材』を取り入れてみたい。

心を元気にする栄養素4

・タンパク質
記憶や感情など、脳機能に重要な役割を果たすセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の材料となるアミノ酸。体内で合成できないものも多いため、タンパク質として毎日の食事から補うことが重要。

・食物繊維
うつ病をはじめとする心の不調と腸内環境には密接な関係があることが判明。腸内環境を整え、ストレスに対処するためにも、水溶性・不溶性の2種類の食物繊維をバランスよく摂取することが大切。

・鉄
心を元気にする脳の神経伝達物質の合成に重要な役割を果たしており、鉄が不足するとうつ病のリスクが高まり、気分が落ち込みがちに。とくに月経がある女性は鉄分不足が起きやすく、食事からの摂取を心がけて。

・葉酸
葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、鉄と一緒になってセロトニンやドーパミンなどといった脳の神経伝達物質の合成に関与する栄養素。とくにうつ病との関連性が多く指摘されている。

とったほうがいい具体的な食材

実際に、どのような食材を積極的にとればよいのか。

「意識してとってほしいのは大豆製品と魚、野菜、レバー、そして乳製品。とくにヨーグルトですね。これらの食材は、メンタル不調の改善・予防に役立つ栄養素をバランスよく効率的に補えます」

これらのオススメ食材のとり方を、次からの項目で詳しく紹介。食事内容の見直しや改善に役立ててほしい。

大豆製品

豆腐や納豆といった大豆製品は、植物性タンパク質の宝庫。また不溶性食物繊維を多く含むほか、善玉菌のエサとなる大豆オリゴ糖も豊富と、いいことずくめ! ぜひ毎食1品は加えるようにして。中でも納豆は鉄分や葉酸も豊富なうえ、手軽に食事にプラスしやすい。

魚類

動物性タンパク質をしっかりと補えるだけでなく、EPAやDHAなど、脳を保護する脂質も豊富。これらのオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする効果も期待できる。

また、まぐろやかつおなどの赤身魚やあさりといった貝類には、鉄分も多く含まれているので、週3回くらいは摂取するよう心がけて。

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