「第2次森保ジャパン」2026年、誰が残っているか 選外の古橋亨梧、旗手怜央にもチャンスあり

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しかしながら、前述の通り、代表の既存メンバーもこの先の移籍動向やケガ、コンディションの問題でどうなるかは不透明。古橋や旗手が別の環境でさらなるブレイクを果たすこともあり得る。彼ら以外にも、20歳前後の若い世代で急成長する人間がいるかもしれない。逆に「若手だけでは戦えない」となれば、吉田や酒井宏樹(浦和)、原口元気(シュツットガルト)らが戻ってくる可能性もある。

実際、3年前に三笘がここまで突き抜けた存在になると考えた人が何人いただろうか。森保監督でさえも想定していなかったはずだ。代表サバイバルというのは、そのくらい渾沌としている。だからこそ面白い。

さしあたって、2023年の日本代表は3・6・9・10月が親善試合。その間は20代以下の若いメンバーを積極的にテストしていくのではないか。この結果を見ながら、今年11月から始まる2026年W杯アジア2次予選(2024年6月まで)と2024年1~2月のアジアカップ(カタール)で骨格を固めていくはず。そこまでを第1期と見ていいだろう。

森保 サッカー 日本代表
第2次森保ジャパンは初陣を飾れるか(筆者撮影)

その後、2024年9月から2025年6月にかけて最終予選が行われるが、森保監督はこの第2期でチームを完成形に近づけながら突破を目指していく。そして本大会出場権獲得後の1年間でさらなるブラッシュアップを図ることになる。作業が順調に進めばいいが、アクシデントはつねに想定しておくべきだ。

特に守備陣のテコ入れは最重要課題の1つ。今回も板倉と伊藤以外はカタール未経験者ばかり。ここでしっかり爪痕を残しておかないと、すぐに吉田らベテランを呼び戻されてしまう恐れがある。そういう危機感を持って、今回のウルグアイ、そして28日のコロンビア戦(大阪・ヨドコウ)に挑むべきだ。

いずれにせよ、初陣2連戦はWBC直後だけに、希望と期待感を抱かせる戦いが必須。選手たちには目の色を変えて勝利へと突き進んでほしいものである。

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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