スリムクラブ内間政成「さん付け」の相方に恩返し 自信のなさから走った闇営業、謹慎時に毎日電話

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2019年にそんなことがあって、少しずつ、自分で言うのもアレですけど、コンビの形が変わってきたと感じています。うちの場合は相方がネタを作るのが基本だったんですけど、ここ最近は自分も意見を出して「これはどうかな?」と言えるようになってきました。

あと、細かいことですけど、前はネタのことなどで何か尋ねられると「何か言わないといけない」とあせって、的外れなことを言ってしまって、またそれで後悔するみたいなことがあったんですけど、今は特になければ「ない」と言えるようになった。ここも自分の中で大きなことでした。無理せず「ない」自分を出せるというか。

そこに関しても、ずっと相方が言ってくれていた「ポジティブだけを愛するなよ。ネガティブもお前だから」という言葉がジワジワ効いてきたのかなとも思っています。オレに効き目が出るまで、あまりにも時間がかかりすぎですけど(笑)。

相方はよくここまで我慢してくれた

そんな新たな感覚もあるので、賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」にも出ることにしたんです。「M-1」の頃よりも、自分に自信が持てている。ネタに自信が持てている。だからこそ、今までとは違うものにチャレンジしてみたい。その気持ちが出てきたのも事実です。

結成から18年ほど経って、やっとコンビとしてスタートラインに立てたような気がしています。本当に、時間かかりすぎなんですけど、相方がよくここまで我慢してくれたものだと心底思います。

相方を一言で言うと、恩人です。恩返しなんてことがあるのか、できるのかわかりませんけど、相方が作った最高のネタを対等な立場でより面白いものにする。行きつくところ、それしかないんだろうなとも思っています。

そして、子どもっぽいことですけど、相方に喜んでほしいです。本当に粘り強くオレに向き合ってくれて、その間には、当然、いろいろな思いがあったとも思います。その分、これからは喜んでもらいたい。真面目な話になって申し訳ありませんけど(笑)、今は、そんなことをただただ思っています。

■内間政成(うちま・まさなり)
1976年6月19日生まれ。沖縄県出身。琉球大学で相方の真栄田賢と出会い、コントなどに取り組む。2005年に正式にコンビ結成。吉本興業所属。2010年に「M-1グランプリ」で準優勝し一躍注目を集める。コンビとして結成16年以上の漫才師が出場する賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」にチャレンジ中。3月1日に著書『等身大の僕で生きるしかないので さらけ出したら、うまくいった40の欠点』を上梓した。
中西 正男 芸能記者

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なかにし まさお / Masao Nakanishi

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。noteで「全てはラジオのために」(note.com/masaonakanishi)も執筆中。

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