そんな中、大きなきっかけになったのが2019年の闇営業問題でした。コンビで無期限謹慎になって、何もかもが完全にストップしました。真栄田さんから毎日電話をもらって、いろいろな話をさせてもらいました。
闇営業問題という大きなことを起こしてしまい、その中で、これまでとは違う次元で自分と向き合いました。そうすることで、自分の不安や、自分の形、そして、なぜ“闇営業”に行ったのかも見えてきました。
すべての軸になっていたのは「自分に才能がない」という思いでした。こんな自分だから、お金を稼げるうちに稼いでおかないといけないという思いもありましたし、堂々と評価される自信がないので、どんな形にせよ、呼ばれたらスッと行ってしまう。絶対的な自信があったら、どっしり構えると思うんですけど、それがないからフワフワ動いてしまう。そこが一番の根本だったんだろうなと。
あと、これは良くも悪くもだとも思うんですけど、真栄田さんを崇拝している。頼り切っている。それも痛感しました。もともと大学の先輩ですし、スタートからしてこちらとしては五分五分というよりも、頼っているところがあったんですけど、それがコンビを組んで十数年経っても変わっていない。何なら、日々の積み重ねでもっと依存心が強くなっている。それが自分なんだなと気づきました。
正直、舞台上でも「自分は真栄田さんの下」という意識で接していました。たびたび真栄田さんから「オレたちはコンビなんだから、対等なんだよ」と言ってもらってもいたんですけど、その度に“後輩ぶり”を発揮して逃げるというか。真栄田さんを立てるという位置に逃げ込んで、責任からも逃れていたんです。
闇営業問題でとことん自分と向き合ったことをきっかけに、そんなことに心底気づきました。もちろん、きっかけとしては良いきっかけのわけはないんですけど、自分の中で大きなきっかけであったことは間違いありません。
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